2015年夏の陣 問題

2015年夏の陣 問題


第1問

 円周率 $\pi=3,141592\cdots$ は小数点以下が無限に続くことが一般に知られている。そこで円周率$\pi$に興味を持った高校生のたかし君は、$\pi$の小数点以下に現れる様々な数字の配列を考えてみることにした。

 例えば、「$314$」という数字の並びは小数点以下第$2120$桁目に初めて現れ、再び小数点以下第$2538$桁目に現れる。また、「$3141592$」という数字の並びは小数点以下第$25198140$桁目に初めて現れ、再び小数点以下第$28625511$桁目に現れる。また、たかし君のクラスメート全員、さらにはたかし君が日々お世話になっている教科担任全員の生年月日の数字の並びさえもが、例外なく$\pi$の小数点以下の数字の並びに現れる。

 そこでこれらの経験をもとに、たかし君は次のような仮説を立てた。

仮説:

$\pi$は小数点以下が無限に続く数字である。したがって、$\pi$の小数点以下には$3141592\cdots$と無限に続く数字の並びがいつか現れる。

 以上のことを踏まえた上で、たかし君の仮説に結論とその証明を与えよ。


第2問

 $xy$座標平面上において、$A(1,0)$、$B(0,1)$、$C(-1,0)$、$D(0,-1)$と定める。また線分$AC$および線分$BD$からなる十字型の図形を図形$L$とし、$xy$座標平面上を動く動点$P(x,y)$について、次の施行$(\ast)$を繰り返すことを考える。

施行$(\ast)$:

 目の出方が同様に確からしい$1$つのサイコロを$1$回振り、$1$の目が出れば$P$の$x$座標に$1$を足し、$2$の目が出れば$P$の$y$座標に$1$を足し、$3$の目が出れば$P$の$x$座標から$1$を減じ、$4$の目が出れば$P$の$y$座標から$1$を減じ、$5$および$6$の目が出れば$P$を動かさないものとする。

 ただし、$P$は最初に原点$O$にあるものとし、$P$は図形$L$上の点の外部に出た時点で、それ以降動くことはないものとする。この条件の下で、以下の問いに答えよ。

(1)$n$回サイコロを振った時点で$P$が図形$L$上に存在している確率$p_n$を求めよ。

(2)$n$回サイコロを振った時点で$P$の$x$座標が正である確率$q_n$を求めよ。


第3問

 $xy$平面において、原点$O$を中心とする半径$a$($a$は正の定数)の円の周に対して領域 $y \geqq 0$ 上の点$P$から接線を$2$本引いたときの接点を$A$、$B$とし、四角形$PAOB$の面積は常に$4$であるとする。

(1)点$P$の描く軌跡の方程式を$a$を用いて表せ。

(2)点$P$が$x$軸上の正の部分のみを動くものとする。$a$が正の実数全体を動くとき、接点$A$の描く軌跡の方程式を、根号を含まない形で求めよ。さらに、接点$A$の$y$座標が最大となるときの接点$A$の座標を求めよ。ただし、このとき接点$A$は領域 $y \geqq 0$ 上に存在するものとする。


第4問

 座標空間において、$xy$平面上の直線 $y=a$($a$は正の定数)上に点$A$、$z$軸上の原点を含む正の部分に点$P$をとり、線分$AP$の長さを$L$($L$は$a$より大きい正の定数)とする。点$A$が直線 $y=a$ 上を可能な限り隅々まで動くときに線分$AP$が通過してできる曲面を$C$とする。

 曲面$C$と$xy$平面によって囲まれる立体の体積$V$を求めよ。


第5問

 自然数$n$について、$a_n=\dfrac{2^n}{n!}$ と定め、$a_n$を既約分数$\dfrac{p_n}{q_n}$と表したとき、$S_n=p_n+q_n$ と定める。ただし、例えば$a_1$は$2$であるが、この場合は $a_1=\dfrac{2}{1}$ として分数とみなすこととする。また、必要ならば以下の値を用いよ。

 $\log_2 ⁡3=1.584962\cdots$、$\log_2 ⁡5=2.321928\cdots$、$\log_2⁡ 7=2.807354\cdots$

(1)$S_n$は常に奇数となることを示せ。

(2)$S_{n-1}-S_n \geqq {2016}^{2016}$ となるような自然数$n$のうち最小のものを求めよ。


第6問

 座標空間において、3点$A(a,0,0)$、$B(0,b,0)$、$C(0,0,c)$が与えられている。ただし$a$、$b$、$c$は正の実数である。この3点の定める平面を$\alpha$とし、原点から平面$\alpha$に引いた垂線と平面$\alpha$の交点を点$H$とする。

(1)点$H$の座標を$(h_1,h_2,h_3)$とするとき、$h_3$を求めよ。

(2)$a$、$b$を定数とし、$c$が正の実数全体を動くとき、$h_3$の最大値$H_3$を求めよ。

(3)$ab=2$ とする。$h_3$が最大値$H_3$をとるとき、$h_1$、$h_2$、$h_3$の値をそれぞれ求めよ。また、このとき点$H$は$\triangle ABC$に関してどのような点か。


問題は以上である。

(2015/07/04公開 ©理系のための備忘録)


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