2017年夏の陣 概評


2017年夏の陣 概評


アルファベットは(難)D>C>B>A(易)の順で、出題分野(右側のアルファベット)も大まかなものです。いつものように総括。

①  A A/整数(記数法)、不等式
②  B Ⅱ/関数列、接線
③  C AB?/空間、論証
④  B AB/整数、数列(フィボナッチ数列)
⑤  B Ⅲ/複素数平面
⑥  B Ⅲ/極座標、積分法(面積)

150分での目標得点率は6割程度というところでしょうか。


各問題に関して、少々解説。

第1問は記数法を絡めた無理不等式の問題としました。取っ付きにくく感じられるかもしれませんが、その内実と言えば無理不等式の処理だけという易しい問題です。勿論、記数法の概念を理解していなければ手も足も出ませんが…。

この第2問ですが、実は今回の問題で一番易しい(?)問題だと思います。$f_n(x)$の多項式を具体的に求めようとするとドツボに嵌ります。ただ単純に共通接線の条件だけを弄っていればOK、という言ってみれば悪問の類かもしれませんね…。

第3問は本格的な論証の問題としてみました。4点間の距離や各点の成す平面を考えることでパターン分けして論証できるかどうかがカギです。こういう問題では思い込みは禁物です。この問題については、腕に覚えのある方は是非ともエレガントな解答を作ってほしいと思います(笑)(※私の解答はエレガントではありません)

※現実世界の静止衛星は重力と遠心力を釣り合わせるため、赤道上空の高度約$36,000$キロメートルに設置しますが、本問の「静止衛星」は任意の地点の上空に設置できることに注意してください。本問のケースはあくまでもモデルです。

第4問はみんな大好き「フィボナッチ数列」に関する問題です。フィボナッチ数列がユークリッドの互除法と縁のある数列だというのは数学愛好家なら常識でしょう。本問では来年に備え、西暦の$2018$という数字を使った最大公約数の話題を取り上げました。そう言えば、来年の今頃には新元号が発表されているらしいですが、頭文字がM、T、S、Hではないということだけは分かりますね(笑)。ともかく、今回は譲位という形での改元なので新元号をめでたく迎えられます。

第5問は前回に引き続き複素平面からの出題としました。見た目も内容もシンプルですが、軌跡の要点が抑えられていないと案外苦戦するかもしれません。ただ、難関大学を目指す受験生にとっては易しく感じられると思います。

第6問は夏冬通じて初となる極座標からの出題です。本問の曲線$C$は「Tschirnhausen cubic」または「Tschirnhaus’ cubic」などと呼ばれるものです(和訳すれば「チルンハウスの$3$次曲線」とでもなりましょうか)。ウィキペディア(英語版)にも単独でページが存在するほど有名な曲線のようです。問題自体はショボめですが(笑)


今回も難度は控えめで作問しました。大学入試問題も毎年傾向が変わるものですが、新課程になってから3年目ということで、数学に限らず色々な教科で大分落ち着いてきた印象を受けました。来年の入試には面白い&目新しい問題を期待したいのですが、果たしてどんな問題が出るのでしょうか…?


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