2019年冬の陣 概評


 2019年冬の陣 概評


アルファベットは(難)D>C>B>A(易)の順で、出題分野も大まかなものです。

①  B AⅡ/図形、関数(最大値)
②  B A/確率
③  D ⅡB/関数、数列
④  B B/ベクトル(空間)
⑤  C ⅡⅢ/三角関数、微積分
⑥  D Ⅲ/関数、微積分

150分での目標得点率は4~5割程度でしょうか。


以下、各問に関するコメントです。

第1問は正方形に関するシンプルな問題としました。変数の設定方法は色々考えられますが、ここでは素直に線分$\mathrm{AP}$の長さを$x$などとして立式するのが良いでしょう。面積が求められればあとは一本道です。

第2問はオーソドックスな確率の問題です。甲が乙に連勝するパターン、即ち甲が負けることのできる最大回数が2回であるという条件を考えましょう。反復試行の典型題なので是非解けて欲しい問題です。

第3問は整数絡みの多項式の問題です。(1)は数学的帰納法で証明し、その結果を(2)で利用しますが、全体的に抽象的な問題設定であり難問と言えるでしょう。(2)では多項式の係数を二項係数と見て処理するのが最もシンプルな方法ですが、二項係数に関する知識を持っているか否かでも差が付くと思われます。

第4問には京大数学で特に頻出の空間図形(大抵は四面体)に関する抽象的な問題を配置しました。条件から何が言えて何が言えない(自明でない)のかを正確に把握して証明を組み立てる必要があります。解法の道具としては空間のベクトルが第一選択でしょう。題意の四面体の条件が多いのでそこまで難度は高くないと思います。

第5問は解析分野の1行問題としてみました。$\sin x$は $0 \leqq x \leqq \pi$ の範囲で上に凸なので、いわゆるイェンゼンの不等式が与不等式の右辺の証明に利用できます。また、不等式$$1-\dfrac{1}{2}x^2<\cos x$$より、与不等式の左辺が証明できます。数値的に不等関係を示すことも可能かもしれませんが、やや難しいと思います。エレガントな見た目の割にヒントが無い分、使うべき不等式に気付けなければ即終了となる恐れがあるので悪問と評されても仕方ないでしょうか・・・?(笑)

第6問は座標幾何の問題です。角の二等分線という情報をどのように数式に落とし込むかがポイントです。直線の一般形から点$\mathrm{Q}$の座標を求めても良いですし、偏角という形で角度を扱える複素数との相性も良いでしょう。(2)の条件は点$\mathrm{Q}$が$\mathrm{OA}$の中点となるときに満たされます。このとき$t$が満たす条件式において$$2<\sqrt{t^4+4}<t^2+2$$という関係を用いれば上限値と下限値が求められます。言われてしまえば簡単かもしれませんが、なかなか難しい問題だったと思います。


今回のセットでは6問中4問に論証問題が含まれています。与えられた仮定や限られた条件から論理的に証明する力は求値問題ではあまり鍛えることのできない能力ですから、論証問題に苦手意識のある方は数学科の先生や力のある友人に答案を添削してもらうと良いでしょう。

今回の模試は幾何、確率、離散数学、立体図形、関数、座標平面といった難関大で頻出の分野からバランス良く出題できたと思っていますが、それにしても難しく仕上がってしまったと思います。試験前に解いて自信を付けるような問題では無いですね。(笑)


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