2020年冬の陣 概評


2020年冬の陣 概評


アルファベットは(難)D>C>B>A(易)の順で、出題分野も大まかなものです。

①  B Ⅱ/空間図形、三角関数
②  B Ⅱ/三角関数
③  B Ⅲ/関数、微積分
④  C AⅡB/整数、座標平面、数列
⑤  B ⅡⅢ/対数関数、微積分(面積)、極限
⑥  C A/確率、整数

150分での目標得点率は6~7割程度でしょうか。


以下、各問に関するコメントです。

今回の第1問は正五角錐の体積に関する一行問題としてみました。$36^{\circ}$の三角比を求める必要がありますが、ノーヒントでの出題だったので結構差が付く気がします。基本的には以下のような正五角形の内部に△ACD、△DCFをとって相似比を考えることで辺DCの長さなり、辺ACの長さなりを求めます。

因みに

$\sin 36^\circ=\dfrac{\sqrt{10-2\sqrt{5}}}{4}$、$\cos 36^\circ=\dfrac{1+\sqrt{5}}{4}$

となります。結局のところ直錐になっているので高さを求めるのはさほど難しくありません。体積は ${\dfrac{5+\sqrt{5}}{24}}$ と求められます。

第2問は年号をモチーフにした三角関数の問題です(気が付きましたか?(笑))。総和を求めるのは解をグラフ上で考えればそこまで難しくないと思います。$2\phi$なので実はそこまで複雑な計算は要りません。必要最小限の計算量で素早く処理したい問題です。ちょっとした計算問題のつもりで出題しましたが、皆さんの手応えは如何に・・・?

第3問はシグモイド関数に関する微積分の問題です。「$S_1=S_2$ を満たす$t$をすべて求めよ。」とは指示されていますが、求める$t$の値は1つしかありません。それを示唆するのが(1)なのですが、ちゃんと読み取れたでしょうか?

第4問は示すべき内容に一直線の誘導が付いているので、ただの計算問題に近いです。(2)は(1)の結果を使えば(点$(a_{n},b_{n})$が無数に構成できることが示されれば)解決するのが見え見えなので、(1)を如何に手早く解けるかがカギです。連立漸化式は難関大で頻出なので充分に対策しておきましょう。

第5問はシンプルな面積絡みの極限の問題です。底の変換公式で各曲線を自然対数に直して考えるのが普通だと思います。計算自体は難しくありません。

第6問は確率の問題です。(1)と(2)は(3)のための誘導設問になっているので、できるだけ一般化した形で解答しておくのが望ましいと言えます。2020個の玉を5で割った余りでグルーピングして考えると見通し良く解答できると思います。


今回のセットは論証が少なめでした。求値問題もそれほど複雑な訳ではないので解き切れて欲しい問題ばかりです。近年の大学入試数学では論証問題が減少傾向にありますが、求値問題であっても論理的な説明ができないと減点の対象となります。今年でセンター試験が終了し、来年からは共通テストが実施されます。これを受けてか、今シーズンの受験者は安全志向の傾向が強く、難関大志望者は例年より減少しているようです。ただし、蓋を開けてみないことにはどんな結果になっているのか分かりませんね…。


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