2020年夏の陣 問題

2020年夏の陣 問題


第1問

 半径$2$、$\mathrm{O}$を中心とする中心角$\dfrac{\pi}{3}$の扇形$\mathrm{OAB}$がある。弧$\mathrm{AB}$上に点$\mathrm{C}$をとり、$\mathrm{C}$から$\mathrm{OA}$に垂線を引き$\mathrm{OA}$との交点を$\mathrm{D}$とする。また、点$\mathrm{C}$を通り$\mathrm{OA}$に平行な直線と$\mathrm{OB}$との交点を$\mathrm{E}$、$\mathrm{E}$から$\mathrm{OA}$に垂線を引き$\mathrm{OA}$との交点を$\mathrm{F}$とする。

 このとき、長方形$\mathrm{CDFE}$の面積の最大値を求めよ。


第2問

 ある授業で次の問題が宿題として出された。

「$p^2-p+1$ が整数の3乗になるような素数 $p$ を求めよ」

 この問題について高校生のたかし君とゆりこさんが会話をしている。

 

たかし:$p^2-p+1$ が整数の3乗になるということは、ある整数$q$を用いて$$\small (*): p^2-p+1=q^3$$と置けそうだ。$q$はあくまでも整数という条件だから正負で場合分けが必要なのかな・・・?

 

ゆりこ:$\boxed{\text{ (ア) }}$。だから$q$が正の奇数の場合を考えれば良いわね。

 

たかし:そうだね。でもここからどうしよう? 先生は因数分解すると良いってヒントを教えてくれたけど・・・。

 

ゆりこ:とりあえず因数分解できる形に式変形してみましょうか。

 

たかし:・・・できた! (イ)この式から $p$ か $p-1$ のどちらかが $q-1$ で割り切れることが言えるね。

 

ゆりこ:$q$ は奇数だから $q-1$ は偶数だわ。

 

たかし:$\boxed{\text{ (ウ) }}$。だから $q-1$ で割り切れるのは $p-1$ の方だと分かるね。

 

ゆりこ:つまり、ある整数$k$を使って $p-1=k(q-1)$ と置けるから、これを方程式に代入して$p$を消去して整理すると(エ)$q$の2次方程式が得られるわね。

 

たかし:$q$が整数になるためにはこの2次方程式の判別式$D$が完全平方数になることが必要だよね。でも$D$は平方の形に因数分解できなさそうだよ?

 

ゆりこ:そういうときは近い値をとる完全平方数と比べてみればいいんじゃないかな。例えば $\small (k^2-3)^{2} \leqq D$ という不等式が成り立つよね。

 

たかし:なるほど! つまり(オ)不等式(**)が成り立つから上限も決まって$k$が絞り込めるね。$$\small (**): (k^2-3)^{2} \leqq D<(k+n)^2$$

ゆりこ:$k$ が決まれば $q$ も定まるから素数 $p$ が求められるわね。

 

以上の会話を踏まえて以下の問いに答えよ。

(1)$\boxed{\text{ (ア) }}$ では $q$ が正の奇数に限ることの根拠が述べられている。この根拠を簡潔に説明せよ。

(2)下線部(イ)について、前後の文脈に沿うように$(*)$を因数分解して得られる形を書け。ただし答えのみで良い。

(3)$\boxed{\text{ (ウ) }}$ では $q-1$ で割り切れるのが $p$ ではなく $p-1$ であることの根拠が述べられている。この根拠を簡潔に説明せよ。

(4)下線部(エ)について、$q$の2次方程式およびその判別式$D$を書け。ただし答えのみで良い。

(5)下線部(オ)について、最小の整数$n$を決定して不等式を完成させ、これが成り立つことを示せ。

(6)(5)で得られた不等式を利用して素数 $p$ をすべて求めよ。


第3問

 $-1 \leqq x \leqq 1$ の範囲で定義される曲線$C$を$$C:\left\{\begin{array}{cc}
x^2 & (0 \leqq x \leqq 1) \\
-x^2 & (-1 \leqq x < 0)
\end{array}\right.$$と定める。座標平面上の2点$\mathrm{P}$、$\mathrm{Q}$が$C$上を自由に動くとき、線分$\mathrm{PQ}$の中点$\mathrm{R}$が動く範囲を $D$ とする。ただし点$\mathrm{P}$、$\mathrm{Q}$が一致するときは $\mathrm{R=P}$ とする。

(1)$s$、$t$ を実数とする。$s>0$ のとき、座標平面上の点$(s,t)$が $D$ に属するための $t$ の条件を $s$ を用いて表せ。

(2)$D$ を図示せよ。


第4問

 $t$は$-1$より大きい実数とする。$$f(x)=e^x (x+1)^x \quad (x>-1)$$で定められる関数$f(x)$の最小値が $x=t$ で与えられるとき、$$-\dfrac{1}{2}<t<-\dfrac{1}{3}$$が成り立つことを示せ。


第5問

 じゃんけんに関する次の問いに答えよ。ただし、全員がグー、チョキ、パーを無作為に出すとする。

(1)$\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$の2人がじゃんけんをする。あいこのときはじゃんけんを繰り返し続けるものとし、じゃんけんは最大で$n$回まで行うものとする。このとき$\mathrm{A}$が勝つ確率を求めよ。

(2)$\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$、$\mathrm{C}$の3人がじゃんけんをする。1回目は3人で始め、負けた者はじゃんけんから抜けるものとする。最大で$n$回までじゃんけんを繰り返すとき、$\mathrm{A}$ただ一人が勝ち残る確率を求めよ。


第6問

 1辺の長さが$1$の正方形$\mathrm{ABCD}$がある。辺$\mathrm{AB}$を軸に正方形$\mathrm{ABCD}$を一回転してできる立体を$K_1$、辺$\mathrm{BC}$を軸に正方形$\mathrm{ABCD}$を一回転してできる立体を$K_2$、辺$\mathrm{CD}$を軸に正方形$\mathrm{ABCD}$を一回転してできる立体を$K_3$、辺$\mathrm{DA}$を軸に正方形$\mathrm{ABCD}$を一回転してできる立体を$K_4$とする。

 このとき、$K_1$、$K_2$、$K_3$、$K_4$のすべての内部に含まれる点全体からなる立体の体積を求めよ。


問題は以上である。

(2020/08/14公開 ©理系のための備忘録)


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