創作整数問題#18解法&創作整数問題#19



久々の更新です。前回のフェルマーの小定理絡みの問題とは打って変わって、今回は「立方数」の話題です。


《問題#19》

ある整数の$3$乗となる数を立方数という。$n^3+8n^2-n$ が立方数となるような整数$n$をすべて求めよ。

(創作問題)


類題の経験があれば易問かもしれませんが、「立方数」と言われると手が出せなくなってしまいがちです。式をよく観察しましょう。皆さんはこの問題文を見て、不等式を使うという発想が思い付けるでしょうか・・・?

 

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答えは $\color{red}{n=1,0,-1,-8,-27}$ です。

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創作整数問題#18(解き方)


$2^{2017}$を$2017$で割ったときの余りを求めよ。

いきなりですが、皆さんは

「フェルマーの小定理(Fermat’s little theorem)」

という単語を聞いたことがありますか?なぜ「小」なのかというと、「小」を付けないと「フェルマーの最終定理」という大定理と混同されてしまうからです。入試数学で「フェルマーの最終定理」を使わないと解けない問題が出ることはまずあり得ませんが、「フェルマーの小定理」を知っていれば見通しが良くなる問題はちらほら見かけます。英語圏の数学愛好家の間では通称”FLT”と呼ばれているこの定理は以下のようなものです。

「$p$を素数とするとき、任意の整数$n$について、$n^p-n$ は常に$p$の倍数である。即ち、$$n^p \equiv n \pmod{p}$$が成り立つ。」

これが本問とどう関わるのでしょうか?

まず「$p$」に相当する数字がすぐに見つかります。もちろん$2017$ですね。今年の西暦でもある$2017$は素数です(因みに素数年は$2011$年以来で、次の素数年は$10$年後の$2027$年です)。

$2017$が素数であることとフェルマーの小定理を知っていれば、$2^{2017}-2$ は$2017$の倍数であることが瞬時に分かります。これにより、$2^{2017}$を$2017$で割った余りは$2$であると(暗算で)求めることができます。


当然ながら、高校数学ではフェルマーの小定理なんてものは扱いませんから、実際には二項展開の利用や合同式で次数下げなどの解法が現実的ですね。しかし時にはフェルマーの小定理で一発!という問題も出題されることがあるので、知っておいて損はないでしょう。

フェルマーの小定理を果たして試験の答案に書いてよいものかと悩んでいる方は、答案の中で証明してしまうことをお勧めします。少し面倒ですが、証明自体はそれほど難しくないはずです。

4 Replies to “創作整数問題#18解法&創作整数問題#19”

    1. ご指摘ありがとうございます!
      仰る通り、「整数」であれば $n=-27,-8,-1,0$ も答えになりますね。
      お恥ずかしい限りですが、作問した当人が自然数だと勘違いしていて自然数の答えしか載せておりませんでした・・・。お詫びして訂正致します。

  1. 丁寧な回答をありがとうございました.

    「整数」であれば,指摘したような解答となると思いますが,
    不等式による評価が,負数nについては少し煩雑で,
    かつ候補が幾分多めに残ってしまいますね.

    解説を作られる際のことを考えれば,問題文の方を
    「自然数nをすべて求めよ」にしてしまうのもありかもしれません.

    「今更」な指摘ですみません.

    1. 作った時点では自然数解のみについての不等式を考えていたために、こんなことになってしまったのでしょうね・・・。
      尤も「整数」と書く意図は当初からありませんでしたが、折角なのでこのままにして解答らしきものを作ってみようと思います(確かに処理は煩雑ですが・・・)。
      教育的な側面から言えば「自然数$n$」とするのが妥当と思います。実際に入試問題で出題されるとしたら「正の整数」などとなるのではないでしょうか。単に「整数」とあれば、やや数学コンテスト寄りの問題になってしまいそうです。
      ご丁寧にありがとうございます。

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