微積2.3.1c

前に戻る トップへ戻る 次の問題へ

問題2.3.1c

次の関数のn次(n1)の導関数を求めよ。

(7)y=1x2x2

(8)y=ex1x

 

《ポイント》

(7)は部分分数分解をします。(8)は 11x=(1x)1と見なしてライプニッツの定理を利用します。

 


 

《解答例》

(7)

     1x2x2=1(x2)(x+1)=13(1x21x+1)=13(x2)113(x+1)1

f(x)=(x2)1g(x)=(x+1)1とおくと、

f(1)(x)=(x2)2f(2)(x)=2(x2)3

g(1)(x)=(x+1)2g(2)(x)=2(x+1)3

となるから、

(){f(n)(x)=(1)nn!(x2)(n+1)g(n)(x)=(1)nn!(x+1)(n+1)

と予想できる。これを数学的帰納法により示す。

n=1のとき、上記の通り成立している。nのとき()の成立を仮定すると、

     f(n+1)(x)=ddxf(n)(x)=(1)nn!ddx(x2)(n+1)=(1)nn!(n+1)(x2)(n+1)1=(1)n+1(n+1)!(x2)(n+2)

また、

     g(n+1)(x)=ddxg(n)(x)=(1)nn!ddx(x+1)(n+1)=(1)nn!(n+1)(x+1)(n+1)1=(1)n+1(n+1)!(x+1)(n+2)

となりn+1のときも成立している。以上より、数学的帰納法により()が示された。故に y=1x2x2n次導関数は

     13f(n)(x)13g(n)(x)=(1)nn!3{(x2)(n+1)(x+1)(n+1)}  (答)

となる。

 

(8)

f(x)=(1x)1g(x)=exとおくと、f(1)(x)=(1x)2f(2)(x)=2(1x)3、となるから f(n)(x)=n!(1x)(n+1) と予想できる。これを数学的帰納法により示す。

n=1のとき、上記の通り成立している。nのとき成立を仮定すると、

     f(n+1)(x)=ddxf(n)(x)=n!ddx(1x)(n+1)=n!(1)(n+1)(x1)(n+1)1=(n+1)!(x1)(n+2)

となりn+1のときも成立している。以上より、数学的帰納法により示された。

また、g(n)(x)=exであるから、(1x)1exn次導関数はライプニッツの定理より、

     dndxn{(1x)1ex}=k=0nnCkf(nk)(x)g(k)(x)=k=0n[n!k!(nk)!{(nk)!(x1)(nk+1)}ex]=k=0n[n!k!(x1)(nk+1)ex]=n!exk=0n{1k!(x1)(n+1)(x1)k}=n! ex(x1)(n+1)k=0n(x1)kk!  (答)

となる。

 


 

復習例題未設定

 


前に戻る トップへ戻る 次の問題へ