微積2.4.7

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問題2.4.7

$f(x)$が$C^2$級で$f'{}'(a) \ne 0$とすると、平均値の定理$$f(a+h)= f(a)+hf’ (a+\theta h)$$において、$\displaystyle \lim_{h \to 0} ⁡\theta=\dfrac{1}{2}$を示せ。

(hint:平均値の定理を用いて上式に代入したものと、$n=2$のときの$f$についてテーラーの定理を比較する。)

 

《ポイント》

平均値の定理とテーラーの定理に関する有名問題です。実は「テーラーの定理」は平均値の定理を一般化したものに対応しています。詳しくは「『テイラー展開』の分かりやすい解説」のページを参照してください。

 


 

《解答例》

与式より、$$f(a+h)= f(a)+hf’ (a+\theta h) \ \ \cdots①$$である。$f(x)$について$x=a$においてテーラー展開すると、

$$f(x)=\dfrac{f(a)}{0!}+\dfrac{f’ (a)(x-a)}{1!}+\dfrac{f'{}’ (a+\varepsilon(x-a))}{2!} (x-a)^2$$

(ただし$\varepsilon$は$0<\varepsilon<1$を満たす実数)

となる。$x=a+h$をこれに代入すると、$$f(a+h)= f(a)+hf’ (a)+\dfrac{f'{}’ (a+\varepsilon h)}{2} h^2 \ \ \cdots②$$となる。①と②の差をとって整理すると、
$$f’ (a+\theta h)-f'(a)=\dfrac{h}{2} f'{}’ (a+\varepsilon h) \ \ \cdots③$$を得る。また、$f'(x)$に平均値の定理を適用すると、

$$\dfrac{f’ (a+k)-f’ (a)}{(a+k)-a}=f'{}’ (a+\delta k)$$

$$∴f’ (a+k)-f’ (a)=kf'{}’ (a+\delta k)$$

(ただし$a<a+\delta k<a+k$、即ち$\delta$は$0<\delta<1$を満たす実数)

となる。この式を③式と比較したいから$k= \theta h$と置き換えて、$$f’ (a+\theta h)-f’ (a)=\theta h f'{}’ (a+\delta \theta h) \ \ \cdots④$$を得る。③、④より、$$\theta=\dfrac{1}{2}\cdot \dfrac{f'{}’ (a+\varepsilon h)}{f'{}’ (a+\delta\theta h)}$$であり、$h \to 0$とすると、$$\theta=\dfrac{1}{2}\cdot \dfrac{f'{}’ (a+0)}{f'{}’ (a+0)} \ \ \ ∴\theta=\dfrac{1}{2}$$

よって $\displaystyle \lim_{h \to 0} ⁡\theta=\dfrac{1}{2}$ が示された。

 

 


 

復習例題未設定

 


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