微積1.3.3

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問題1.3.3

次の極限値を求めよ。

(1)$\displaystyle \lim_{x \to 0} (1+ax)^{\frac{1}{x}}$

(2)$\displaystyle \lim_{x \to 0} \dfrac{e^x-e^{-x}}{x}$

(3)$\displaystyle \lim_{x \to 1} x^{\frac{1}{1-x}}$

 

《ポイント》

極限の計算では $\displaystyle \lim_{x \to \infty} \left(1+\dfrac{1}{x} \right)^{x}=e$ や $\displaystyle \lim_{x \to 0} \dfrac{\sin x}{x}=1$など定番の式は使いこなせるようにしておきましょう。極限を求める問題では微分係数の式 $\displaystyle \lim_{h \to 0} \dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}=f'(x)$ を利用することもあるので、どういう式変形が有効なのか、常に意識して計算しましょう。

本問は自然対数の底$e$の定義式に帰着させます。

 


 

《解答例》

(1)

$\displaystyle \lim_{x \to 0} (1+ax)^{\frac{1}{x}}=\displaystyle \lim_{x \to 0} \left\{ (1+ax)^{\frac{1}{ax}} \right\}^a=e^a \ \ \cdots \cdots (\text{答})$

 

(2)

$f(x)=e^x$とすると、

$\begin{align} \displaystyle \lim_{x \to 0} \dfrac{e^x-e^{-x}}{x} &=\displaystyle \lim_{x \to 0} \left\{ \dfrac{e^{0+x}-e^{0}}{x}+\dfrac{e^{0+(-x)}-e^{0}}{(-x)} \right\}  \\ &=\displaystyle \lim_{x \to 0} \dfrac{e^{0+x}-e^{0}}{x}+ \displaystyle \lim_{(-x) \to 0} \dfrac{e^{0+(-x)}-e^{0}}{(-x)} \\ &= f'(0)+f'(0) \\ &= 2 \ \ \cdots \cdots (\text{答}) \end{align}$

 

(3)

$1-x=t$と置くと、

$\begin{align} \displaystyle \lim_{x \to 1} x^{\frac{1}{1-x}} \\ &= \displaystyle \lim_{t \to 0} (1-t)^{\frac{1}{t}} \\ &=\displaystyle \lim_{t \to 0} \left\{ (1+(-t))^{\frac{1}{-t}} \right\}^{-1} \\ &= e^{-1} \ \ \cdots \cdots (\text{答}) \end{align}$

 


 

《コメント》

やや技巧的に見えるかもしれませんが、目標となる式は公式の使える形ですからどのような変形をすれば良いのかは見えてくるはずです。$e$に関する極限計算のバリエーションもそれほど多くはないので、これらの問題が解ければ十分です。

 


 

復習例題未設定

 


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