微積5.3.4

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問題5.3.4

関数$P(x,y)$、$Q(x,y)$が全平面で$C^1$級で$$P_y(x,y)=Q_x(x,y)$$ならば、$P(x,y)$、$Q(x,y)$を点$\mathrm{A}$から点$\mathrm{B}$に連続曲線に沿って積分したものは、$\mathrm{A}$と$\mathrm{B}$を結ぶ曲線の取り方によらないことを示せ。

 

《ポイント》

まずは2点$\mathrm{A}$、$\mathrm{B}$を結ぶ曲線を仮定しましょう。グリーンの定理と線積分の定義により証明します。

グリーンの定理
$P(x,y)$、$Q(x,y)$が有界閉領域$D$で$C^1$級関数のとき$$\int_{\partial D}P(x,y)dx+Q(x,y)dy=\iint_{D}\left(\dfrac{\partial Q(x,y)}{\partial x}-\dfrac{\partial P(x,y)}{\partial y}\right)dxdy$$が成り立つ。

 


 

《解答例》

点$\mathrm{A}$と$\mathrm{B}$を結ぶ2つの有向曲線を$C_1$、$C_2$とする。ただし、曲線の向きはいずれも点$\mathrm{A}$から点$\mathrm{B}$に向かう方向とする。

2つの有向曲線$C_1$、$C_2$によって囲まれる領域は有界閉領域であり、$\partial D=C_1 \cup (-C_2)$と置けば、グリーンの定理および仮定より、$$\begin{align}&\ \ \ \ \ \int_{\partial D}P(x,y)dx+Q(x,y)dy \\ &=\iint_{D}\left(\dfrac{\partial Q(x,y)}{\partial x}-\dfrac{\partial P(x,y)}{\partial y}\right)dxdy \\ &=0 \ \ \cdots \cdots (*) \end{align}$$が成り立つ。いま、$\partial D=C_1 \cup (-C_2)$であるから、$$\begin{align}\int_{\partial D}P(x,y)dx+Q(x,y)dy&=\int_{C_1}P(x,y)dx+Q(x,y)dy \\ & \ \ \ \ \ \ + \int_{-C_2}P(x,y)dx+Q(x,y)dy \\ &=\int_{C_1}P(x,y)dx+Q(x,y)dy \\ & \ \ \ \ \ \ -\int_{C_2}P(x,y)dx+Q(x,y)dy \end{align}$$となり、$(*)$より、$$\begin{align}& \int_{C_1}P(x,y)dx+Q(x,y)dy \\ & \ \ \ \ \ \ -\int_{C_2}P(x,y)dx+Q(x,y)dy \ =0 \end{align}$$ $$\therefore \int_{C_1}P(x,y)dx+Q(x,y)dy=\int_{C_2}P(x,y)dx+Q(x,y)dy$$が導かれる。これより、$P(x,y)$、$Q(x,y)$を点$\mathrm{A}$から点$\mathrm{B}$に連続曲線に沿って積分したものは、点$\mathrm{A}$と$\mathrm{B}$を結ぶ曲線の取り方によらないことが示される。

※以上の議論は有向曲線$C_1$、$C_2$が点$\mathrm{A}$と点$\mathrm{B}$以外に共有点をもつ場合にも適用できます。

 


 

復習例題は設定していません。

 


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