問題1.2.3
次の関数は $(-\infty ,\infty )$ で連続であることを示せ。
(1)$\cos x$
(2)$\cos \left( \dfrac{x^3}{1+x^2} \right)$
(3)$\tan \left( \dfrac{\pi}{4} \sin x \right)$
《ポイント》
合成関数の連続性から片付けるのが良いでしょう。(1)は教科書の例題に倣って示します。
《解答例》
(1)
$a$を任意の実数とする。(和積公式から、)$$|\cos x -\cos a|=\left| -2 \sin \dfrac{x+a}{2} \sin \dfrac{x-a}{2} \right|$$であり、$\left| \sin \dfrac{x+a}{2} \right| \leqq 1$、$\left| \sin \dfrac{x-a}{2} \right| \leqq \left| \dfrac{x-a}{2} \right|$より、$$|\cos x -\cos a| \leqq 2 \cdot 1 \cdot \dfrac{|x-a|}{2}=|x-a|$$となる。実数の連続性より$\displaystyle \lim_{x \to a} |x-a|=0$であるから、はさみうちの原理から左辺も$0$に収束する。故に$\displaystyle \lim_{x \to a} |\cos x -\cos a|=0$が成立するから$\cos x$は$(-\infty ,\infty )$で連続である。
(2)
(1)より$\cos x$は$(-\infty ,\infty )$で連続である。また$x^3$および$1+x^2$は$(-\infty ,\infty )$で連続であるから、その商$\dfrac{x^3}{1+x^2}$も$(-\infty ,\infty )$で連続である。以上より、合成関数 $\cos \left( \dfrac{x^3}{1+x^2} \right)$も$(-\infty ,\infty )$で連続である。
(3)(※ここでは$\sin x$の連続性は前提とします)
$\dfrac{\pi}{4} |\sin x | \leqq \dfrac{\pi}{4}$であるから、$$\tan{-\dfrac{\pi}{4}}=-1 \leqq \tan \left( \dfrac{\pi}{4} \sin x \right) \leqq \tan{\dfrac{\pi}{4}}=1$$
である。$\sin x$、$\cos x$は$(-\infty ,\infty )$で連続であるから、その商$\tan x$も$(-\infty ,\infty )$で連続である。
以上より、合成関数$\tan \left( \dfrac{\pi}{4} \sin x \right)$も$(-\infty ,\infty )$で連続である。
《コメント》
合成関数の連続性は重要な考え方です。
復習例題1.2.3
次の関数は$(-\infty ,\infty )$で連続かどうか答えよ。
(1)$\dfrac{\sin x}{\sqrt{x^2+1}}$
(2)$\cos{\dfrac{\sin x}{x}}$