微積2.1.3

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問題2.1.3

$y=\sinh x$は$(-\infty , \infty)$で逆関数を持つことを示せ。

また、$y=\sinh x$の逆関数を$y=\sinh^{-1} x$と表すとき、$\dfrac{d}{dx} \sinh^{-1} x$を求めよ。

 

《ポイント》

$y=f(x)$の逆関数は$x=f(y)$により与えられますが、$x=f(y)$が「関数」として定義可能でなければ$y=f(x)$の逆関数は存在しません。ここで「関数」であるとは、「$x$の値に対して$y$の値がただ一つ定まる($y$の値に対して$x$の値がただ一つ定まる)」という条件を満たすことを指しています。多価関数の場合は$x$の値に対して$y$の値が複数存在するため、逆関数が定義できません。

 


 

《解答例》

$f(x)=\sinh⁡x=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}$ とする。

$y=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}$ において$e^x=t \ (>0)$と置くと、

$∴y=\dfrac{t-\dfrac{1}{t}}{2}\ \ \ ∴e^x=y+\sqrt(y^2+1)$

$∴x=\log⁡(y+\sqrt{y^2+1})$

ここで、曲線 $y=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}$ は $y’=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2}>0$ より、すべての実数について単調増加であるから、$y$の値に対して$x$の値がただ一つ定まる。故に$y=\log⁡(x+\sqrt{x^2+1})$について、$x$の値に対して$y$の値がただ一つ定まる。

したがって$y=\sinh x$は$(-\infty , \infty)$において逆関数$$y=\log⁡(x+\sqrt{x^2+1})$$を持つ。また、導関数は

$\begin{align}&\ \ \ \ \ \dfrac{d}{dx} \left\{\log⁡(x+\sqrt{x^2+1}) \right\} \\ &=\left( 1+\dfrac{x}{\sqrt{x^2+1}}\right) \cdot \dfrac{1}{\sqrt{x^2+1}+x} \\ &= \dfrac{1}{\sqrt{x^2+1}} \ \ \cdots \cdots \text{(答)} \end{align} $

である。

 


 

復習例題未設定

 


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