問題2.2.6
曲線C:$\begin{cases} x=a \cos^3 t \\ y=a \sin^3 t \end{cases}$ の各点$\left(t \ne \dfrac{n\pi}{2} \right)$における接線が両座標軸によって切り取られる線分の長さは一定であることを示せ。
《ポイント》
この曲線はアステロイド(星芒形)と呼ばれるものです。壁に立て掛けられた棒(梯子でも何でも良いですが)の端が、壁にも床にも接しながら滑り落ちるときの包絡線として現れるのがアステロイドです。この曲線は半径比$4:1$のハイポサイクロイド(hypocycloid)でもあります。
《解答例》
曲線C:$\begin{cases} x=a \cos^3 t \\ y=a \sin^3 t \end{cases}$ より、 $\dfrac{dx}{dt}=-3a \sin t \cos^2 t$、$\dfrac{dy}{dt}=3a \sin^2 t \cos t$ であるから、
$\begin{align} \dfrac{dy}{dx} &=\dfrac{dy}{dt}\cdot \dfrac{1}{\dfrac{dx}{dt}} \\ &=\dfrac{3a \sin^2 t \cos t}{-3a \sin t \cos^2 t} \\ &=-\tan t \end{align}$
である。故に点P$(a \cos^3 t 、a \sin^3 t)$における接線$l$の方程式は
$y=-\tan t (x-a \cos^3 t )+a \sin^3 t$
と求められる。よって接線$l$の$x$切片、$y$切片はそれぞれ、$a \cos^3 t+a \sin^2 t \cos t$、$a \sin t \cos^2 t+a \sin^3 t$となるが、関係式 $\sin^2 t+\cos^2 t=1$ を用いて整理すると座標はそれぞれ $(a \cos t、0)$、$(0、a \sin t)$となり$x$軸、$y$軸によって切り取られる接線$l$の長さは
$\sqrt{(a \cos t-0)^2+(0-a \sin t )^2 }=a$
となり、$t$によらない。故に長さは一定である。
復習例題未設定