微積2.3.7

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問題2.3.7

(1)f(x)=xnexLn(x)=exf(n)(x)と置くとき、次の式を示せ。xf(x)=(nx)f(x)

(2)(1)の両辺をn+1回微分することにより、次の式を示せ。xLn(x)+(1x)Ln(x)+nLn(x)=0

 

《ポイント》

Ln(x)には「ラゲールの多項式」という名前が付いており、(2)は「ラゲールの微分方程式」が成立することを証明させる問題です。ラゲールの多項式や第3章で扱うガンマ函数などはまとめて「特殊関数」などと呼ばれ、その多くは数学だけでなく物理学など他の分野にも応用されています。

因みに、ラゲールの多項式(一般には「ラゲールの陪多項式」と呼ばれる)は量子力学の分野において、水素類似球状原子の動径波動関数を記述する際に利用されます。

 


 

《解答例》

(1)

f(x)=xnex より、
f(x)=nxn1exxnex=(nx)xn1ex
よって両辺にxを乗じてxf(x)=(nx)xnex
を得る。

 

(2)

Ln(x)=exf(n)(x)

Ln(x)=exf(n)(x)+exf(n+1)(x)=Ln(x)+exf(n+1)(x)

Ln(x)=Ln(x)+exf(n+1)(x)+exf(n+2)(x)=Ln(x)+Ln(x)Ln(x)+exf(n+2)(x)

より、

f(n)(x)=exLn(x)

f(n+1)(x)=exLn(x)Ln(x)

f(n+2)(x)=exLn(x)2Ln(x)+Ln(x)

である。また(1)より、xf(1)(x)=(nx)xnex ()が成立している。xf(1)(x)n+1回微分すると、ライプニッツの定理よりxf(n+2)(x)+(n+1)f(n+1)(x)となる。

(nx)xnex=(nx)f(x)n+1回微分すると、ライプニッツの定理より(nx)f(n+1)(x)(n+1)f(n)(x)となる。

()より、xf(n+2)(x)+(n+1)f(n+1)(x)=(nx)f(n+1)(x)(n+1)f(n)(x) xf(n+2)(x)+(1+x)f(n+1)(x)+(n+1)fn(x)=0となる。fに各式を代入して、
xex{Ln(x)2Ln(x)+Ln(x)}+(1+x)ex{Ln(x)Ln(x)}+(n+1)exLn(x)=0この両辺にexを乗じてさらに整理するとxLn(x)+(1x)Ln(x)+nLn(x)=0を得る。よって示された。

 


 

この問題に復習例題は設定していません。

 


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