微積3.1.5

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問題3.1.5

閉区間$[a,b]$で連続な関数$f(x)$が$f(x) \geqq 0$であり、かつ恒等的に$0$でないならば$$\displaystyle \int_a^b f(x)dx>0$$であることを示せ。

 

《ポイント》

図形的に考えれば直感的に自明ですが、ここでは区分求積法の考え方によって示します。

 


 

《解答例》

区分求積の考え方から、
$$\displaystyle \int_a^b f(x) dx=\displaystyle \lim_{n \to \infty}⁡ \dfrac{b-a}{n} \displaystyle \sum_{k=1}^n f\left( a+\dfrac{b-a}{n} k \right) $$
である。ここで積 $\dfrac{b-a}{n} \cdot f\left( a+\dfrac{b-a}{n} k \right)$ は微小な長方形の面積を表している。仮定より、$f(x)$は閉区間$[a,b]$で$0$以上だから、$1 \leqq k \leqq n$を満たす任意の$k \ (\in \mathbb{Z})$に対して、$$\dfrac{b-a}{n} \cdot f\left( a+\dfrac{b-a}{n} k \right) \geqq 0$$が成立する。さらに、$f(x)$は閉区間$[a,b]$で恒等的に$0$ではないから、ある$k$に対して、$$\dfrac{b-a}{n} \cdot f\left( a+\dfrac{b-a}{n} k \right)>0$$が成立する。故に、
$$\displaystyle \lim_{n \to \infty}⁡ \dfrac{b-a}{n} \displaystyle \sum_{k=1}^n f\left( a+\dfrac{b-a}{n} k \right) >0$$即ち、$$\displaystyle \int_a^b f(x) dx>0$$となる。

 


 

《コメント》

閉区間$[a,b]$で$f(x) \geqq 0$が常に成り立つならば、$$\displaystyle \int_a^b f(x) dx \geqq 0$$です。この事実から以下のことが言えます。

閉区間$[a,b]$において$f(x) \geqq g(x)$が常に成り立つならば、$$\displaystyle \int_a^b f(x) dx \geqq \displaystyle \int_a^b g(x) dx$$である。

 

 


 

この問題に復習例題は設定していません。

 


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