微積4.2.12

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問題4.2.12

$z=f(x,y)$ の偏微分は$x$と$y$で決まるのであって、$z$と$x$のみで決まるものではないから、$z_x$、$z_y$という記号を用いるときは気をつける必要がある。これを、次の関数 $z=x+2y$ について確かめよ。

(1)$z$を、$x$と$y$の関数と考えての$z_x$

(2)$z$を、$x$と $u=x+y$ の関数と考えての$z_x$

 

《ポイント》

(1)は普通の2変数関数の偏導関数、(2)は媒介変数を含んだ式の形をとる偏導関数を指しています。問題文中で言っていることとやらせたいことが微妙に分かりにくいですが、両者が異なる値をとるということを示すのが眼目です。

 


 

《解答例》

(1)

$z=x+2y$ を$x$で偏微分すると、$$z_x=1 \ \ \cdots \cdots(\text{答})$$となる。

 

(2)

関係式 $y=u-x$ より$y$を消去して、$$\begin{align} z&=x+2(u-x) \\ &=-x+2u \end{align}$$と式変形できる。これを$x$で偏微分すると、$$z_x=-1 \ \ \cdots \cdots(\text{答})$$となる。

 

※本問は$x$による偏微分を$z_x$と表記することの弊害を訴えるものです。小問を2つ用意して丁寧に計算させていますが、実際にあり得るミスとして、$z_x$を「$z$と$x$のみで決まる何らかの値」と勘違いして$z_x$を$y$で偏微分したときに「$0$」としてしまう人がたまにいます。$z_x$や$z_y$は単にインデックスが付いているだけで、あくまでも複数個の変数の関数だということは常に認識しておかなければなりません。

 


 

復習例題は設定していません。

 


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