問題4.4.3
次の方程式で与えられる曲線の、与えられた点における接線と法線の方程式を求めよ。
(1)$3x^2-xy^3+2xy+y-x=0$ $\mathrm{P}(1,2)$
(2)$xe^{2y}-e^{xy}+\sin \pi xy+y$ $\mathrm{P}(0,1)$
《ポイント》
$f(x,y)=0$ 上の点$(a,b)$における接線は陰関数 $y=\varphi(x)$ により$$y-b=\varphi^{\prime}(a)(x-a)$$と表せます。また、法線は$$y-b=-\dfrac{1}{\varphi^{\prime}(a)}(x-a)$$と表せます。
《解答例》
(1)$3x^2-xy^3+2xy+y-x=0$ $\mathrm{P}(1,2)$
$f_x=6x-y^3+2y-1$、$f_y=2x-3xy^2+1$ より、$$f_x(1,2)=1,\ f_y(1,2)=-9$$となるから陰関数の定理より、点$\mathrm{P}(1,2)$の近傍で $f(x,y)=0$ の陰関数 $y= \varphi(x)$ が存在し、$$\varphi^{\prime}(x) =-\dfrac{6x-y^3+2y-1}{2x-3xy^2+1} $$となる。
$\varphi(1)=\dfrac{1}{9}$ となるから点$\mathrm{P}$における接線の方程式は$$y-2=\dfrac{1}{9}(x-1)$$ $$\therefore x-9y+17=0 \cdots (\text{答})$$また、法線の方程式は$$y-2=-9(x-1)$$ $$\therefore 9x+y-11=0 \cdots (\text{答})$$と求められる。
(2)$xe^{2y}-e^{xy}+\sin \pi xy+y$ $\mathrm{P}(0,1)$
$f_x=e^{2 y}-ye^{xy}+\pi y \cos(\pi xy)$、$f_y=2xe^{2y}-xe^{xy}+\pi x\cos(\pi xy)+1$ より、$$f_x(0,1)=e^2-1+\pi,\ f_y(0,1)=1$$となるから陰関数の定理より、点$\mathrm{P}(0,1)$の近傍で $f(x,y)=0$ の陰関数 $y= \varphi(x)$ が存在し、$$\varphi^{\prime}(x) =-\dfrac{e^{2 y}-ye^{xy}+\pi y \cos(\pi xy)}{2xe^{2y}-xe^{xy}+\pi x\cos(\pi xy)+1} $$となる。
$\varphi^{\prime}(x)(0)=-(e^2-1+\pi)$ となるから点$\mathrm{P}$における接線の方程式は$$y-1=-(e^2-1+\pi)(x-0)$$ $$(e^2-1+\pi)x-y-1=0 \cdots (\text{答})$$また、法線の方程式は$$y-1=\dfrac{1}{e^2-1+\pi}(x-0)$$ $$x-(e^2-1+\pi)(y-1)=0 \cdots (\text{答})$$と求められる。
復習例題は設定していません。