微積5.4.4b

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問題5.4.4b

次の図形の曲面積を求めよ(a>0)。

(3)曲面 z=x2+y2 の平面 z=a より下の部分

(4)曲面 z=xy の円柱 x2+y2=a2 の内部

(5)球面 x2+y2+z2=4 の回転放物面 x2+y2=2z+1 より上の部分

 

《ポイント》

いきなり曲面の立体的なイメージを思い描くのではなく、まずは不等式を用いて数式のとりうる値の範囲を求めましょう。積分する方向によって積分計算のしやすさが変わってくるので積分する文字や順序に注意しなければなりません。

 


 

《解答例》

(3)曲面 z=x2+y2 の平面 z=a より下の部分

領域DD={(x,y)| x2+y2a}によって定めれば、求める曲面積SS=D1+zx2+zy2 dxdy=D1+4x2+4y2 dxdy       (zx=2x,zy=2y)=D1+4(x2+y2) dxdy  ()となる。ここで x=rcosθy=rsinθ0ra0θ2π)と置けば、()=02πdθ0a1+4r2r drとなる。これに対して更に r2=t と置くと t:0adt=2rdr であり、

()=02πdθ0a1+4tdt2=122π0a1+4t dt=π[16(1+4t)32]0a=π6((1+4a)321)  (答)と求められる。

※曲面 z=x2+y2xz平面、yz平面に関して対称なので x0y0 の部分を計算してから4倍してもよいのですが、いずれにしても極座標を使うことになるので領域を象限ごとに分割するなどの小細工は施していません。

 

 

(4)曲面 z=xy の円柱 x2+y2=a2 の内部

領域DD={(x,y)| x2+y2a2}によって定めれば、求める曲面積SS=D1+zx2+zy2 dxdy=D1+y2+x2 dxdy       (zx=y,zy=x)=D1+(x2+y2) dxdy  ()となる。ここで x=rcosθy=rsinθ0ra0θ2π)と置けば、()=02πdθ0a1+r2r dr=2π[13(1+r2)32]0a=2π3((1+a2)321)  (答)と求められる。

※曲面 z=xy は平面 x=z、平面 y=z に関して対称なので 4分割して求積することもできますが(3)と同じ理由でそのまま計算しています。

 

 

(5)球面 x2+y2+z2=4 の回転放物面 x2+y2=2z+1 より上の部分

x2+y2+z2=4x2+y2=2z+1 を代入してzについて解くと z=1,3 となるが、z=3x2+y2+z2=4 を満たさないため不適。よってz=1を得る。よって領域Dを、z=1 としたときの曲面のxy平面に対する正射影となる領域としてD={(x,y)| x2+y23}と定めればよい。ここで関数zについて、x2+y2+z2=4 の両辺をxyで偏微分すると、zx=xzzy=yz となるから、求める曲面積SS=2D1+zx2+zy2 dxdy=D1+(xz)2+(yz)2 dxdy=Dz2+x2+y2z2 dxdy=D4z2 dxdy=D2|z| dxdy=2D14(x2+y2) dxdy  ()となる。ここで x=rcosθy=rsinθ0r30θ2π)と置けば、()=202πdθ0314r2r dr=4π[(4r2)12]03=4π  (答)と求められる。

 


 

復習例題は設定していません。

 


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