微積復習例題1.1.5a

復習例題1.1.5a

 $\sqrt{2}+\sqrt{3}$ は有理数でないことを示せ。

 

《ポイント》

基本的に前頁と同じです。$\sqrt{2}$が無理数であること既知としなければ2乗操作を二回行えばOKです。

 


 

《解答例》($\sqrt{2}$が無理数であることを既知とする場合)

$\sqrt{2}+\sqrt{3}$が有理数であると仮定すると、互いに素な2つの自然数$p、q$を用いて$\sqrt{2}+\sqrt{3}=\dfrac{p}{q} \ \ (p>q)$と表すことができる。$\sqrt{2}$を移項し、両辺正なので2乗すると$$3=\dfrac{p^2}{q^2}-2\sqrt{2}\dfrac{q}{p}+2$$となる。これを$\sqrt{2}$について整理すると

$\sqrt{2}=\dfrac{p^2-q^2}{2pq}$ ・・・・・・(*)

となる。$p^2-q^2$も$2pq$も整数だから右辺は有理数である。ところがこれは$\sqrt{2}$が無理数であることに矛盾し不合理である。

したがって$\sqrt{2}+\sqrt{3}$は有理数でない。故に$\sqrt{2}+\sqrt{3}$は無理数である。

 

《解答例》($\sqrt{2}$が無理数であることを既知としない場合)

((*)までは上に同じ)

(*)より、$2pq \sqrt{2}=p^2-q^2$となる。$p>q$より両辺正なので2乗すると$$8 p^2 q^2=p^4-2 p^2 q^2 +q^4$$ $$\therefore (10q^2-p^2)p^2=q^4$$となるが左辺が$p$の倍数となっており$p、q$が互いに素な2つの自然数であることに矛盾する。

したがって$\sqrt{2}+\sqrt{3}$は有理数でない。故に$\sqrt{2}+\sqrt{3}$は無理数である。

 


 

《コメント》

受験数学の範囲ですね。特に難しい操作は必要ありません。解答例では$\sqrt{2}$を主役にしましたが、2乗の際に$\sqrt{3}$を残しても同様の議論が可能です。

 


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