微積1.2.6

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問題1.2.6

$f(x)$は閉区間$[0,1]$で定義された連続関数とする。すべての$x \in [0,1]$について$0 \leqq f(x) \leqq 1$であるならば$f(c)=c$となる$c \in [0,1]$が存在することを示せ。

 

《ポイント》

中間値の定理を利用できるような関数の形を考えます。

 


 

《解答例》

$g(x)=f(x)-x$と置く。

$0 \leqq f(x) \leqq 1$、$-1 \leqq -x \leqq 0$より、$-1 \leqq g(x) \leqq 1$である。$0 \leqq g(x) \leqq 1$、$-1 \leqq g(1) \leqq 0$となるから、$g(0)$と$g(-1)$がともに$0$でないとすれば、$g(0)$と$g(-1)$は異符号となる。

$g(x)$は連続関数($\therefore f(x)$も$x$も連続関数)だから、中間値の定理より$g(x)=0$は閉区間$[0,1]$において少なくとも1つの解$x=c$ $(c \in [0,1])$を持つ。即ち、閉区間$[0,1]$において$f(c)=c$となる実数$c$が存在する。

 


 

《コメント》

$g(x)=f(x)-x$と置く操作が奇抜に見えるかもしれませんね。$f(c)=c$を満たす実数$c$を探すのが本問の主題ですので、ある関数が$g(x)=0$を満たすという形であれば中間値の定理が適用しやすくなり、$f(c)-c=0$を満たす関数、つまり$f(x)-x$を新しい関数と置けばよいことが分かります。

 


 

復習例題は設定していません。

 


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