問題2.1.1c
次の関数の導関数を求めよ。
(16)$\sinh x$
(17)$\cosh x$
(18)$\tanh x$
《ポイント》
これらの関数は、標準形の双曲線をパラメータ表示するときに現れることから、「双曲線関数」と呼ばれています。それぞれ、$$\sinh x=\dfrac{e^x-e^{-x}}{2}$$ $$\cosh x=\dfrac{e^x+e^{-x}}{2}$$ $$\tanh x=\dfrac{\sinh x}{\cosh x}=\dfrac{e^x+e^{-x}}{e^x+e^{-x}}$$と表すことができ、特に$\sinh x$や$\cosh x$は二階の線型微分方程式の解になることが知られています。双曲線関数について、三角関数と類似した関係が成立することは知っておきましょう。三角関数の場合と同様に加法定理が成立することもよく知られています。
《解答例》
(16)
$\begin{align}&\ \ \ \ \ \dfrac{d}{dx} (\sinhx )=\dfrac{d}{dx} \left( \dfrac{e^x-e^{-x}}{2} \right) =\dfrac{e^x+e^{-x}}{2} \ \ \cdots \cdots \text{(答)} \end{align} $
※$(\sinh x )^{´}=\cosh x$が成立します。
(17)
$\begin{align}&\ \ \ \ \ \dfrac{d}{dx} (\coshx )=\dfrac{d}{dx} \left( \dfrac{e^x+e^{-x}}{2} \right) =\dfrac{e^x-e^{-x}}{2} \ \ \cdots \cdots \text{(答)} \end{align} $
※$(\cosh x )^{´}=\sinh x$が成立します。
(18)
$\begin{align}&\ \ \ \ \ \dfrac{d}{dx} (\tanhx ) \\ &=\dfrac{d}{dx} \dfrac{e^x-e^{-x}}{e^x+e^{-x}} \\ &=\dfrac{(e^x+e^{-x} )^2-(e^x-e^{-x} )^2}{(e^x+e^{-x} )^2} \\ & =\dfrac{4}{(e^x+e^{-x} )^2} \\ &= \left( \dfrac{2}{e^x+e^{-x}} \right)^2 \ \ \cdots \cdots \text{(答)} \end{align} $
※$(\tanh x )^{´}=\dfrac{1}{\cosh^2 x}$ が成立します。
復習例題は設定していません。