微積5.2.1

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問題5.2.1

極座標を用いて次の積分の値を計算せよ。

(1)Ddxdy(x2+y2)m D:a2x2+y24a2, (a>0)

(2)D1x2y2 dxdy D:x2+y21

(3)Dx dxdy D:x2+y2x

 

《ポイント》

重積分の変数変換には以下の関係式を用います。Df(x,y) dxdy=Df(x(u,v),y(u,v))|(x,y)(u,v)|dudvここで(x,y)(u,v)=det(xuxvyuyv)はヤコビアンと呼ばれる量であり、積分の際は領域について方向を考えないので絶対値をつけます。

本問では極座標への変換を考えます。このときのヤコビアンはrなので、形式的にdxdy=r drdθと書くことができます。以下の解答例ではこの関係式を特に断りなく使用しています。

 


 

《解答例》

(1)Ddxdy(x2+y2)m D:a2x2+y24a2, (a>0)

D:a2x2+y24a2, (a>0) より、r=x2+y2 と置けば ar2a となるから、

    Ddxdy(x2+y2)m=a2a1r2mrdr02πdθ

となる。ここで r2=t と置くと dt=2rdr であるから、

    a2a1r2mrdr02πdθ=2πa24a21tmdt2  ()

となる。よって m=1 のとき、

()=πa24a2dtt=π[logt]a24a2=π(log4a2loga2)=πlog4a2a2=2πlog2  (答)

また m1 のとき、

()=πm1[1tm1]a24a2=πm1(1(4a2)m11(a2)m1)=π(m1)a2m2(1122m2)  (答)

 

 

(2)D1x2y2 dxdy D:x2+y21

D:x2+y21 より、r=x2+y2 と置けば 0r1 となるから、

    D1x2y2 dxdy=011r2 r dr02πdθ=2π011r2 r dr

となる。ここで r2=t と置くと dt=2rdr であるから、

    2π011r2 r dr=π011t dt=π[23(1t)32]01=23π  (答)

となる。

 

 

(3)Dx dxdy D:x2+y2x

x=rcosθy=rsinθ と置く。Dは中心(12,0)、半径12の円の内部であるから、rθの範囲は0rcosθ, π2θπ2となる。この領域をEとすると

     Dx dxdy=Ercosθ r drdθ=π2π2dθ0cosθr2cosθ dr=π2π213cos4θ dθ=230π2cos4θ dθ=233142π2=π8  (答)

 


 

復習例題は設定していません。

 


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