問題5.3.5
次の線積分は始点$\mathrm{A}$と終点$\mathrm{B}$で決まり、$\mathrm{A}$と$\mathrm{B}$を結ぶ曲線によらないことを示せ。
(1)$\displaystyle \int^{B}_{A}(e^x+2xy)dx+(e^{2y}+x^2)dy$
(2)$\displaystyle \int^{B}_{A}yf(xy)dx+xf(xy)dy$
《ポイント》
問題5.3.4で証明した事実を用います。即ち、関数$P(x,y)$、$Q(x,y)$が全平面で$C^1$級で$$P_y(x,y)=Q_x(x,y)$$となることを示します。
《解答例》
(1)$\displaystyle \int^{B}_{A}(e^x+2xy)dx+(e^{2y}+x^2)dy$
$$\begin{cases} \dfrac{\partial}{\partial y}(e^x+2xy)=2x \\ \dfrac{\partial}{\partial x}(e^{2y}+x^2)=2x \end{cases}$$より、$$P_y(x,y)=Q_x(x,y)$$を満たすので、この線積分は点$\mathrm{A}$と$\mathrm{B}$を結ぶ曲線によらない。
(2)$\displaystyle \int^{B}_{A}yf(xy)dx+xf(xy)dy$
$$\begin{cases} \dfrac{\partial}{\partial y}yf(xy)=f(xy)+xyf^{\prime}(xy) \\ \dfrac{\partial}{\partial x}xf(xy)=f(xy)+xyf^{\prime}(xy) \end{cases}$$より、$$P_y(x,y)=Q_x(x,y)$$を満たすので、この線積分は点$\mathrm{A}$と$\mathrm{B}$を結ぶ曲線によらない。
復習例題は設定していません。