問題1.1.5a

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問題1.1.5a

(1)$\sqrt{2}$は有理数でないことを示せ。

(2)$0.999999\cdots=1$であることを示せ。

 

《ポイント》

(1)では背理法を用いるのが簡単です。$\sqrt{2}$が有理数であると仮定して矛盾を導きます。

また(2)は表記法の問題であって、極限の定義そのものを示せばよいだけです。

 


 

《解答例》

(1)

$\sqrt{2}$が有理数であると仮定すると、互いに素な2つの自然数$p、q$を用いて$\sqrt{2}=\dfrac{p}{q}$と表すことができる。両辺に$q$を乗じ、両辺正なので2乗すると$$2q^2=p^2$$となる。左辺は$2$の倍数だから右辺も$2$の倍数でなければならない。よって$p=2r \ (r \in \mathbb{N})$と置けて、これを代入すると$$q^2=2r^2$$となり、同様に$q$も$2$の倍数であることが必要となる。しかし$p、q$がともに偶数となることは$p、q$が互いに素な自然数であることに矛盾する。

したがって$\sqrt{2}$は有理数でない。故に$\sqrt{2}$は無理数である。

 


(2)

数列$\{a_n\}$を$a_n=1-\dfrac{1}{10^n}$と定めると$\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n=0.999999\cdots$である。

また、$\displaystyle \lim_{n \to \infty} \dfrac{1}{10^n}=0$であるから、$\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_n=1$である。

故に$0.999999\cdots=1$である。

 

《別解》

$a=0.999999\cdots$と置くと、

$\begin{align} 10a &= 9.999999\cdots \\ -) \ a & = 0.999999\cdots \\ \hline \\ 9a &= 9 \end{align}$

$$\therefore a = 1 $$

故に$0.999999\cdots=1$である。

 

 


 

復習例題1.1.5a

 $\sqrt{2}+\sqrt{3}$ は有理数でないことを示せ。

 

>>解答・解説


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