微積3.3.1b

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問題3.3.1b

次の広義積分の値を求めよ。

(6)01xlogxdx

(7)121x21dx

(8)11xx21dx

(9)021|x21|dx

(10)032x3|x23x+2|dx

 

《ポイント》

広義積分の計算では定義域の取り方に注意しましょう。例えば111xdxを計算したいとき、これを無理やり計算して[log|x|]11=00=0としてはいけません。1xx=0 で定義されていないため、x=0 を積分区間内に含めることはできないことに注意しましょう。[1,0)(0,1]に分けることによって + を得ます。これは不定形なので答えは「発散」となります。細かい所までケアしなければ思わぬミスを犯してしまいます。

 


 

《解答例》

(6)

     01xlogxdx=limα+0[12x2logx14x2]α1=limα+0(12α2logα14α2)14=14  (答)

ここで、limα+0α2logα=0を示しておく。ロピタルの定理より、

     limα+0α2logα=limα+0logα(1α2)=limα+0(1α)(2α3)=12limα+0α2=0

 

(7)

     121x21dx=limα1+0[log|x21+x|]α2=log|3+2|limα1+0(log|α21+α|)=log(3+2)  (答)

1x21dx=log|x21+x|+C の計算は教科書p63(例5)に記載されています。

 

(8)

11xx21dxについて、x=1cosθ と置くと、dx=sinθcos2θdθx1 のとき θ0π2 であるから、

     11xx21dx=0π211cosθ(1cosθ)21sinθcos2θdθ=0π2dθ=π2  (答)

※積分区間を分割すると計算が非常に煩雑になります。

 

(9)

     021|x21|dx=011|x21|dx+121|x21|dx=0111x2dx+121x21dx=limα10[sin1x]0α+limβ1+0[log|x21+x|]β2=limα10(sin1α)0+log(3+2)     limβ1+0(log|β21+β|)=π2+log(3+2)  (答)

 

(10)

032x3|x23x+2|dx について、x23x+2=t と置くと、(2x3)dx=dt であり、x01 のとき t20
x12 のとき t00x23 のとき t02 だから、

     032x3|x23x+2|dx=012x3(x1)(x2)dx     +122x3(x1)(x2)dx     +232x3(x1)(x2)dx=201tdt+001tdt+021tdt=021tdt+0+021tdt=0  (答)

ただし、途中で積分値     021tdt=limα+0[2t]α2=22が存在することを用いた。

※もし積分値 021tdt が存在しなければ 032x3|x23x+2|dx が存在しないことになります。(教科書p71も参考にすること)

 

 


 

復習例題未設定

 


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