微積3.3.3

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問題3.3.3

ガンマ関数$\varGamma (x)$について次を示せ。

(1)$\varGamma (s+1)=s\varGamma (s)$ ($s>0$)

(2)$\varGamma (n)=(n-1)!$ ($n$:整数 $(\geqq 1)$)

 

《ポイント》

ガンマ関数$\varGamma (s)$は$$\varGamma (s)=\displaystyle \int_0^{\infty} e^{-x}x^{s-1} dx \ (s>0)$$という広義積分で定義される関数です(p71参照)。ガンマ関数は第5章でベータ関数とともに積分計算で威力を発揮するありがたい関数です。

数学者オイラーが階乗($n!$)の一般化として導入したのがガンマ関数の始まりと言われています。ガンマ関数によって一般の実数にまで階乗の概念を拡張することができるのですが、実は一般の複素数$z$についても拡張することができます。

問題で扱っているのは $\varGamma (s+1)=s\varGamma (s)$、および $\varGamma (n)=(n-1)!$ という性質だけですが、積分計算においては特に$$\varGamma \left(\dfrac{1}{2}\right)=\sqrt{\pi}$$の関係式が重要です。この証明は第5章の重積分の範囲で学習します。

 


 

《解答例》

(1)

$\begin{align}& \ \ \ \ \ \varGamma (s+1)\\
&=\displaystyle \int_0^{\infty} e^{-x}x^{s} dx \\
&=\left[-e^{-x}x^s\right]_0^{\infty}+s \displaystyle \int_0^{\infty} e^{-x}x^{s-1} dx
\\ &=s\varGamma (s) \end{align}$

(2)

(1)の結果を利用すると

$$\begin{align} \varGamma (n) &=(n-1) \varGamma (n-1) \\
&=(n-1)(n-2) \varGamma (n-2) \\
&\ \ \ \ \ \ \vdots \\
&=(n-1)! \varGamma (1) \end{align}$$となる。

ここで、$$\displaystyle \int_0^{\infty} e^{-x}=1$$であるから$$\varGamma (n) =(n-1)!$$が成立する。

 


 

この問題に復習例題は設定していません。

 


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