問題2.2.2
次の関数の最大値、最小値を求めよ。
(1)$f(x)=\dfrac{x^2-1}{x^2+1}$
(2)$f(x)=x+\sqrt{1-x^2}$
《ポイント》
不等式の証明には差を取る、比を取る、絶対不等式を利用するなどの方法がありますが、ここでは微分により関数の大小関係を調べます。単純に単調性を利用できない場合(増減が変動する場合)は、必要に応じて増減表を利用して議論しましょう。
《解答例》
(1)
$f(x)=\dfrac{x^2-1}{x^2+1}=1- \dfrac{2}{1+x }$ である。
$x^2+1 \geqq 1 (x=0)$より、$\dfrac{2}{1+x } \leqq 2$
$∴1- \dfrac{2}{1+x }\geqq-1$ (等号成立は$x=0$のとき)
故に$f(x) \geqq -1$であるから、
最大値 なし、
最小値 $x=0$ のとき $-1$ ・・・(答)
【微分による方法(多分こっちが正統派)】
$f'(x)=\left( 1- \dfrac{2}{1+x} \right)^{´}=\dfrac{4x}{(x^2+1)^2}$ より、増減表は以下。
$x$ | $\cdots$ | $0$ | $\cdots$ |
$f'(x)$ | $-$ | $0$ | $+$ |
$f(x)$ | $\searrow$ | $-1$ | $\nearrow$ |
故に$f(x) \geqq -1$であるから、
最大値 なし、
最小値 $x=0$ のとき $-1$ ・・・(答)
(2)
$f(x)=x+\sqrt{1-x^2} \ \ (-1 \leqq x \leqq 1)$であるから、$f'(x)=1-\dfrac{x}{\sqrt{1-x^2}}$ となる。
$f'(x)=0$、即ち $\dfrac{x}{\sqrt{1-x^2}}=1$となる$x$を$x>0$において
求めると$x=\dfrac{1}{\sqrt2}$となる。よって増減表は以下。
$x$ | $-1$ | $\cdots$ | $\dfrac{1}{\sqrt2}$ | $\cdots$ | $1$ |
$f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | ||
$f(x)$ | $-1$ | $\nearrow$ | $\sqrt2$ | $\searrow$ | $1$ |
表より、
最大値 $\sqrt{2} \ \ \left( x=\dfrac{1}{\sqrt2} \right)$、
最小値 $-1 \ \ (x=-1)$ ・・・(答)
復習例題未設定