微積4.3.6

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問題4.3.6

次の関数は与えられた点で極値をとるかどうか調べよ。

(1)$e^{x+y}$ $\mathrm{P}(0,0)$

(2)$x^2+y^2+y^3$ $\mathrm{P}(0,0)$

(3)$x^2+xy+y^2$ $\mathrm{P}(0,0)$

(4)$x^4+y^4-x^2+2xy-y^2$ $\mathrm{P}(1,-1)$

 

《ポイント》

2変数関数の極値判定では以下に示す判別式が有効です。

《定理》
$f(x,y)$は$C^2$級の関数であり、点$(a,b)$において $f_x(a,b)=f_y(a,b)$ とする。判別式を$$D=f_{xx}(a,b)f_{yy}(a,b)-{f_{xy}(a,b)}^2$$と定義するとき、
(a)$D>0$ かつ $f_{xx}(a,b)>0$ ならば、$f$は点$(a,b)$で極小
(b)$D>0$ かつ $f_{xx}(a,b)<0$ ならば、$f$は点$(a,b)$で極大
(c)$D<0$ ならば、$f$は点$(a,b)$で極値をとらない

この定理の証明は教科書に載っています。$n=2$ としたときのテーラーの定理を利用します。参考までに。

 


 

《解答例》

(1)$e^{x+y}$ $\mathrm{P}(0,0)$

$f(x,y)=e^{x+y}$ と置く。$f_{x}(0,0)=1$、$f_{y}(0,0)=1$ より、1次の導関数$f_x$、$f_y$がともに$0$でないので極値をとらない。

 

(2)$x^2+y^2+y^3$ $\mathrm{P}(0,0)$

$f(x,y)=x^2+y^2+y^3$ と置く。このとき $f_{x}(0,0)=0$ かつ $f_{y}(0,0)=0$ が成り立っているので、関数$f(x,y)$は点$\mathrm{P}(0,0)$で極値をとり得る。$f_{xx}(0,0)=2$、$f_{xy}(0,0)=0$、$f_{yy}(0,0)=2$ より、点$\mathrm{P}(0,0)$における判別式$D$は$$D=2\cdot 2 – 0^2=4>0$$となる。$f_{xx}$は正なので関数$f(x,y)$は点$\mathrm{P}(0,0)$において極小値をとる。

 

(3)$x^2+xy+y^2$ $\mathrm{P}(0,0)$

$f(x,y)=x^2+xy+y^2$ と置く。このとき $f_{x}(0,0)=0$ かつ $f_{y}(0,0)=0$ が成り立っているので、関数$f(x,y)$は点$\mathrm{P}(0,0)$で極値をとり得る。$f_{xx}(0,0)=2$、$f_{xy}(0,0)=1$、$f_{yy}(0,0)=2$ より、点$\mathrm{P}(0,0)$における判別式$D$は$$D=2\cdot 2 – 1^2=3>0$$となる。$f_{xx}$は正なので関数$f(x,y)$は点$\mathrm{P}(0,0)$において極小値をとる。

 

(4)$x^4+y^4-x^2+2xy-y^2$ $\mathrm{P}(1,-1)$

$f(x,y)=x^4+y^4-x^2+2xy-y^2$ と置く。このとき $f_{x}(1,-1)=0$ かつ $f_{y}(1,-1)=0$ が成り立っているので、関数$f(x,y)$は点$\mathrm{P}(1,-1)$で極値をとり得る。$f_{xx}(1,-1)=10$、$f_{xy}(1,-1)=2$、$f_{yy}(1,-1)=10$ より、点$\mathrm{P}(0,0)$における判別式$D$は$$D=10\cdot 10 – 2^2=96>0$$となる。$f_{xx}$は正なので関数$f(x,y)$は点$\mathrm{P}(1,-1)$において極小値をとる。

 


 

復習例題は設定していません。

 


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