問題#C002

問題#C002 ★★☆☆

$3$円切手と$5$円切手を何枚か使って$62$円のハガキを送るとき、$3$円切手と$5$円切手の枚数の組み合わせは何通りあるか。


《ポイント》

急に現実的な問題になりましたが、不定方程式を考えるというのは、つまりこういうことです。「枚数」の値は勿論$0$か正です。


《解答例》

$3$円切手と$5$円切手の枚数をそれぞれ$x$枚、$y$枚とすると、題意より$$3x+5y=62$$という関係式が成立する。これより$$3x+5(y-12)=2$$と変形できる。$y-12=z$と置くと、これは$$3x+5z=2 \tag{1}$$と書き改めることができる。$(x,z)=(-1,1)$はこれを満たすから$$3 \cdot (-1)+5 \cdot 1=2 \tag{2}$$が成り立つ。$(1)-(2)$より、$$3(x+1)+5(z-1)=0$$ $$\therefore 3(x+1)=-5(z-1)$$を得る。$3$と$5$は互いに素であるから、$x+1$は$5$の倍数、$z-1$は$3$の倍数である。故にある整数$m$、$n$を用いて$$x+1=5m、z-1=3n$$と置くことができて、与式に代入すると$$15m=-15n \ \ \ \therefore m=-n$$となるから、$(1)$を満たすすべての整数解は$$\begin{cases} x=5m-1 \\ z=-3m+1 \end{cases} \ (m \in \mathbb{Z})$$と表される。

$x$、$y$はともに$0$以上でなければならないから、

$\begin{cases} x=5m-1 \geqq 0 \\ y=z+12=-3m+13 \geqq 0 \end{cases}$

が必要。故に $m=1、2、3、4$ に限られる。よって枚数の組み合わせは$4$通りである。

(答)$4$通り


《コメント》

こういう問題を解くと数学が実生活に役立つことが実感できます。


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