線形代数2.4.7

前に戻る トップへ戻る 次の問題へ

 

 問題2.4.7

$A$がべき零行列ならば $E+A$、$E-A$ は共に正則行列であることを示せ。また、その逆行列を求めよ。

 

 ポイント

問題1.2.6の計算を利用して $E+A$、$E-A$ が共に逆行列をもつことを証明します。

 

 解答例

$n \in \mathbb{N}^{+}$ とし、$A^n=O$ とすると、問題1.2.6の結果より$$(E-A)\left(E+A+\cdots+A^{n-1}\right)=E$$が成り立つから、$$(E-A)^{-1}=\left(E+A+\cdots+A^{n-1}\right)$$である。故に $E-A$ は正則行列である。

同様にして$$(E+A)\left(E-A+\cdots+(-1)^{n-1}A^{n-1}\right)=E$$が成り立つから、$$(E+A)^{-1}=\left(E-A+\cdots+(-1)^{n-1}A^{n-1}\right)$$である。故に $E+A$ も正則行列である。

よって示された。

 


前に戻る トップへ戻る 次の問題へ