線形代数3.4.7

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 問題3.4.7

$A$が交代行列のとき余因子行列$\tilde{A}$は交代行列か。

 

 ポイント

一般に$A$が交代行列のとき、${ }^{t}\!A=-A$ が成り立ちます。この等式を目指して議論します。

 

 解答例

逆行列$A^{-1}$について $AA^{-1}=E$ が成り立つから転置をとって$${ }^{t}\!A\,{ }^{t}\!A^{-1}=E$$より、$A$が対称行列ならば ${ }^{t}\!A=-A$ が成り立つから、$$-A\,{ }^{t}\!A^{-1}=E$$となる。この両辺に左から $-A^{-1}$ を掛けると、$${ }^{t}\!A^{-1}=-A^{-1}$$が成り立つ。よって、$A^{-1}$ は交代行列である。

これより$${ }^{t}\!\tilde{A}=\operatorname{det}(A)\,{ }^{t}\!A^{-1} = \operatorname{det}(A)A^{-1} = -\tilde{A}$$を得るから、$A$が交代行列のとき余因子行列$\tilde{A}$は交代行列である。

以上より題意は示された。

 


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