積分計算で困ったときの対処法②

積分計算で困ったときの対処法②

カタマリを置き換えてみる」


《例題》

次の不定積分を求めよ。$$\int(x+1) \sqrt[4]{2 x-3} \,dx$$


置換積分を使わないと歯が立たない、と思えるようでないと練習不足ではある。しかしどういう置換を使うべきかはケースバイケースで判断できる必要がある。ここが結構難しい。

コツは、扱いにくい部分を優先的に置き換えるということに尽きる。

扱いにくい部分というのは「複雑な部分」と言い換えても良い。被積分関数は $(x+1) \sqrt[4]{2 x-3}$ であるが、$x+1$ よりも $\sqrt[4]{2 x-3}$ の方が計算したくないと思うのが人情である。・・・という訳でこちらを置き換えよう。

$\sqrt[4]{2 x-3}=t$ と置くと $2 x-3=t^{4}$ となるから $d x=2 t^{3} d t$ である。
$$\begin{aligned}
&\ \ \ \ \ \int(x+1) \sqrt[4]{2 x-3} \,dx \\
&=\int\left(\frac{t^{4}}{2}+\frac{5}{2}\right) t \cdot 2 t^{3} d t \\
&=\int\left(t^{8}+5 t^{4}\right) d t \\
&=\frac{t^{9}}{9}+t^{5}+C=\frac{t^{5}}{9}\left(t^{4}+9\right)+C \\
&=\frac{1}{9}(2 x-3) \sqrt[4]{2 x-3}\,(2 x-3+9)+C \\
&=\color{red}{\frac{2}{9}(x+3)(2 x-3) \sqrt[4]{2 x-3}+C}
\end{aligned}$$となる。


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