【違いで学ぶ英語】varietyとdiversity

【違いで覚える英単語】
“variety”と“diversity”

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“variety”と“diversity” はどちらも「多様性」を意味する単語である。しかし両者には微妙な違いがある。「Longman現代英英辞典」でそれぞれの単語を引いてみると次の通り。

〈variety〉
・ [不可算] the differences within a group, set of actions etc. that make it interesting
・ [可算] a type of thing, such as a plant or animal, that is different from others in the same group

〈diversity〉
・ [不可算
] the fact of including many different types of people or things
・ [単数] a range of different people, things, or ideas ;類義語 variety

これからも分かる通り、variety では「同じ種類のものの中での違い」に重きが置かれ、diversity では「そもそも種類が違うこと」に重きが置かれている。

例えば「人種の多様性」の意味だと diversity のニュアンスの方が適している。「人には色々な個性がある」とか「その森には多様な生態系が存在する」という意味の場合も diversity が相応しい。

一方で variety はというと、例えば「多様な事業を手掛けている」といった場合や、「運動会には様々な競技がある」といったニュアンスで用いられる単語と言える。前者では「事業」という集合の中での多様性に言及しており、後者では「競技」という同グループ内の種類の多さに言及している。「カゴに入っている色々な果物」や「多種多様な芸術作品のコレクション」なども variety に当てはまる。

「人種」も同じ人間という集団の中の違いではないか、と思われるかもしれない。しかしこの場合は人種間の性質の違いや差異に重きが置かれているため、通例 (racial) diversity の方を用いる。この辺りの用例はひょっとすると人類史(特に西洋史)の歴史的な経緯も関わっているかもしれない。

因みに、“difference” も「違い」という意味では類義語と言えるが、こちらはストレートに差異そのものを指す単語なので上記2つと混同する心配はないだろう。


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