「御机下」「御侍史」の読み方と意味

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「御机下」も「御侍史」も、手紙にて宛先の脇付(わきづけ)*に使われる言葉ですが、意外と読み方や意味、使い方を知らない人が多いようです。

*脇付:手紙の宛名の左下に書き添えて敬意を表す語のこと。

「御机下」

読み:ごきか、おんきか

意味:「相手の机の下に差し出す」

「直接お渡しするのは恐れ多いので、机の下にでも置いて下さい」といったニュアンスの語です。謙って(へりくだって)使うときの脇付ですね。ただし誰にでも使ってよい訳ではなく、お医者様などの特に偉い地位の方に宛てて文を差し出すときに使われます。「御机下」は特定の名前の下に付けて使います。

知らなければ「おつくえした」や「おんつくえした」などと読んでしまいそうになりますが、恥ずかしい間違いなので気を付けましょう。

「御侍史」

読み:ごじし、おんじし

意味:「お付きの方へ」

「侍史」というのは、秘書などのお付きの方を指しています。「直接お渡しするのは恐れ多いので、秘書の方がお開けになって下さい」という意味が込められています。こちらも相手を尊敬する語として使われますが、「御侍史」は相手の先生の名前が特定されていなくても使えます。


これらの脇付は手紙や招待状などの文章に使用するのが一般的で、直接相手に送れるeメールには用いないのが普通です。

最近では使用頻度が減ってきているようですが、医療業界、特に医療事務の世界では常識の範疇なので覚えておきましょう。なお、これらの語は医療業界以外ではほとんど使用されておらず、現在では医療業界独特の文化です。相手の先生がいくら偉いからといっても妄り(みだり)に使うのは避けましょう。


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