JSTとUTC【標準時の意味と定義】

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 UTCは世界標準時

地球上の国や地域にはそれぞれ「標準時」(タイムゾーン)が設定されており、それぞれ時差が存在します。日本で昼の12時のときはイギリスは夜中の3時、といった具合です。

ところで、インターネットは世界中で休みなく24時間利用でき、国境を跨いだ通信も頻繁に行われています。このようなときに、タイムゾーンが国や地域によってバラバラだと、いつ送られたデータなのか、新しいのか古いのかが分からなくなってしまいます。そこで、インターネットに接続されたサーバー間で共通の時刻が必要となります。

インターネットに接続されたサーバーでは、通常「協定世界時(UTC:Universal Time Coordinated)」が利用されています。UTCはイギリスで利用されているGMTグリニッジ標準時;Greenwich Mean Time)と(ほぼ)一致しています。学校の地理の授業で習ったことがある人がいるかもしれませんね。

世界中の時計はUTCを基準にして時刻を定めています。

GMTがUTCと一致していることはよく知られていますが、UTCとGMTは厳密には異なります。UTCはセシウム原子が振動する周期を基準として「GMTにおける1958年1月1日0時0分0秒からの経過時間」として定められた時刻です。

ただし、地球の自転は一定ではなく、この定義ではGMTとUTCの間に僅かなズレが生じてしまいます。このため、およそ1年に1回「うるう秒」を追加してGMTとUTCのズレを調整しています。

 

 JSTは日本標準時

日本ではUTCから9時間だけ早めた「日本標準時」(JST)が用いられています。言い換えると、JSTから9時間だけ遅らせればUTCになります。

JSTはかつて、兵庫県明石市を通過している「東経135度」の子午線の時刻を基準に定められていました。現在では、UTCが原子時計を基準にして定められているため、昔の定義とは異なっています。ただ、東経135度の子午線で決まる時間と現在の決め方の間には、ほとんど差がありません。

サーバを管理する際には、サーバが取り扱っている「時間」がJSTなのかUTCなのか、はたまた別のタイムゾーンなのかを意識しなければなりません。アメリカやロシアなど、同一の国であっても複数のタイムゾーンが併存する国もあるため、特に海外のサーバを取り扱う際には注意が必要です。

 


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