「自分の印を三つそろえたら負け」に変えると、○×ゲームの作戦は大きく変わります。3×3の盤面で先手と後手が別々の印を使い、三つそろわず9マスが埋まれば引き分けとするルールでは、双方が最善を尽くすと引き分けです。ただし先手が初手を中央以外に置くと、後手は勝ちを強制できます。
先に、細かいルールをそろえる
先手を×、後手を○とし、空きマスへ交互に一つずつ書き込みます。自分の印が横・縦・斜めのどれか1列に三つ並んだ瞬間、その人の負けです。パスはできません。最後のマスへ置いたときも、先に三つ並んだかを判定し、並んでいなければ引き分けとします。
「最後に置いた人が必ず負け」「双方が×だけを書く」といった別ルールもあります。特に後者はNotaktoと呼ばれるゲームで、同じ3×3でも結論が異なります。以下では一貫して、×と○を別々に使うルールを扱います。
普通なら勝ちの一手が、その場で負けになる
| 行 | 左 | 中央 | 右 |
|---|---|---|---|
| 上段 | × | × | 3(空き) |
| 中段 | ○ | ○ | 6(空き) |
| 下段 | 7(空き) | 8(空き) | 9(空き) |
×が3へ置けば、上段に×が三つ並び、即座に×の負けです。普通の○×ゲームのように「勝てるなら三つそろえる」という習慣が、そのまま逆効果になります。また、6へ置くのは普通なら相手の○を止める手ですが、このルールでは相手がそこへ置けば相手自身が負けるため、急いでふさぐ理由はありません。
この盤面から全ての合法な続き方を調べると、×が7・8・9のいずれかへ置けば、双方の最善手の下で引き分けを確保できます。一方、6へ置いた場合は、その場では負けないものの、後手の適切な応手によって×が負けます。目先の三つ並びを避けるだけでは十分でない例です。
中央から始めれば、対称性で負けを防げる
先手が最初に中央へ×を置き、その後は後手の○に対して、中央を挟んで180度反対のマスへ×を置く作戦を考えます。中央以外の8マスは、向かい合う4組になります。毎回、各組の一方が○、他方が×で埋まるので、相手が置いたマスの反対側は必ず空いています。
この作戦では、中央を通る直線に×が三つ並ぶことはありません。中央の両側は必ず○と×の組だからです。中央を通らない列に×が三つ並ぶとしたら、その列を180度回した場所には、既に○が三つ並んでいるはずです。その場合は後手が一手先に負けてゲームが終了しています。したがって先手は、この作戦で負けを避けられます。
ただし、これは先手の必勝法の証明ではありません。後手も自分の三つ並びを避けられる場合があり、盤面が全部埋まって引き分けになります。「負けない」と「必ず勝つ」を区別するのがポイントです。
全ての手を後ろから調べる
本記事では、空きマスへの全ての着手を試すミニマックス計算で、初期盤面と上の例を確認しました。着手で自分の三つ並びを作れば負け、作らず満杯なら引き分け、それ以外は相手の番を同じ方法で調べます。相手も最善を選ぶとして、勝ち・引き分け・負けの順に自分に最も良い手を採用します。
| 初手の場所 | 先手から見た結果 |
|---|---|
| 中央1マス | 引き分け |
| 四隅のいずれか | 負け |
| 辺の中央のいずれか | 負け |
初手の種類は回転・鏡映の対称性で中央・隅・辺の3種類にまとめられますが、計算では9マス全てを別々に確かめています。中央以外で始めたときの「負け」は、初心者相手でも必ず負けるという意味ではありません。相手に勝ちを強制する応手がある、という意味です。
遊ぶときは、まず普通の○×ゲームの「リーチを作る」「相手のリーチを止める」という判断を一度見直してみましょう。自分が後で置ける安全なマスを残す、という視点を持つと、同じ9マスが違って見えてきます。
参考資料
- Alec Levine「Exploring Tic-Tac-Toe Variants」:ゲーム木による変種の分析。本文の結果は本記事の明示したルールで独立再計算
- Plambeck・Whitehead「The Secrets of Notakto」:双方が×を使う別種のミゼールゲームとの区別
資料確認日:2026年10月2日。本文の数値例・模式図は、特記したものを除き本記事の説明用に作成しています。
