ホルムズ海峡封鎖は我々に何を迫るのか

ホルムズ海峡をめぐる現在の軍事的・経済的危機は、もはや単なる「中東の紛争」では片付けられない状況と化している。これは世界のエネルギー供給網、海上輸送網、保険市場、化学原料や肥料の流通、さらには食料価格と家計の実質所得にまで連鎖する、グローバルなシステミック・リスクが具現化したものと言える。UNCTAD(国連貿易開発会議)は、ホルムズ海峡の混乱がエネルギー市場、海運、グローバル・サプライチェーンを同時に圧迫すると警告している。多くのシンクタンクもまた、今回の事態は中東と世界との貿易の停滞と金融市場の不安定化を引き起こし、世界経済の成長を押し下げかねないと予想している。

本稿の主眼は、ホルムズ海峡の平時の機能と、今回の軍事危機によってそれがどのように毀損されているかを確認した上で、今後どのような物資の不足と経済的摩擦が生じ、どのようなシナリオで悪化または改善していくかをシミュレーションすることにある。現時点ではガソリン価格以外に市民生活に重大な支障は生じていないが、店頭や統計にまだ表れていない影響は今後確実に私たちの家計を苦しめることになる。既にメーカー各社は塗料やプラスチック製品の値上げを予告しており、医療用品の在庫も心配される状況となりつつある。日本国内では、国家備蓄と民間在庫が短期間ではあるが一定のバッファとして機能する一方、中東情勢が改善しなければ価格転嫁や化学品の供給制限の影響が時間差を伴って顕在化するであろう。

本稿では我々が認識しておくべき現状と、各家庭が実践できる今後の対応策を整理する。

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アイコンをリニューアルしました!

こんにちは!少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

「理系のための備忘録」を訪問していただき、ありがとうございます。今年、2025年で、このサイトは前身から数えて9年目を迎えることになりました。来年には10周年という節目を迎えることもあり、アイコンのデザインを一新してみました!

今回の新アイコンは、三角フラスコの中にオーギュスト・ロダンの「考える人(The Thinker)」のシルエットを描いたものです。この意匠は「深く考え、科学や技術を軸にした知識を分かりやすく共有する」という当サイトの存在意義を代弁するもので、今までの手作り感たっぷりの(正直微妙な?)デザインよりも洗練されたものになったかと思います。(※)

フラスコの下を彩るカラフルな幾何学模様は、理系の学問分野の多様性や創造性を象徴しています。このデザインを通して、訪問者の皆さんに科学や技術の楽しさ、そして新しい発見のワクワク感をお届けできればと思っています。

※コメント:新アイコンの原案はOpenAIのDALL-E3モデルを利用して作成しています。今後、デザインの細かい部分はマイナーチェンジしていく予定です。


2024年は、正直なところ更新がほとんどできず停滞気味の一年となってしまいました。最近の世の中に目を向けるとAIの発展や半導体産業の競争激化など、技術の世界が凄まじいスピードで進化を続けています。こうした動きに目を向けながら、「理系のための備忘録」という名前に恥じないよう、引き続き役立つ知識を分かりやすくお届けしたいと考えています。

9年目の「理系のための備忘録」は、新しいアイコンとともにリニューアルした気持ちで歩んでいきます。今年もどうぞよろしくお願いいたします!次回の更新もぜひお楽しみに。

管理人のCOVID-19ワクチン接種の記録(2回目)

2回目のCOVID-19のワクチン接種を受けて準備すべきことなどをまとめました。個人的な内容を多分に含みますが、今後ワクチン接種に臨む人に向けて1次情報を発信することにはそれなりに社会的な意義があると考え、ここに管理人個人の経過の記録を公開し、予防接種に関する私見を述べます。 “管理人のCOVID-19ワクチン接種の記録(2回目)” の続きを読む