問題#B011

問題#B011 ★★☆☆

整数$n$が $n \geqq 2$ を満たすとき、$\dfrac{2^{2^n}+4}{10}$は整数であることを示せ。


《ポイント》

$2^{2^n}+4$ が$10$で割り切れるということは $2^{2^n}+4$ の下一桁の数字が$0$であるということです。つまり $n \geqq 2$ のとき $2^{2^n}$ の下一桁の数字が$6$であることを示せばよいことになります。これに気付けなくても帰納法などで証明することは可能でしょう。


《解答例》

$k$を正の整数とする。$2^k$の下一桁の数字は$2$、$4$、$8$、$6$、$2$、$\cdots$と周期$4$で循環し、$k$が$4$の倍数のとき$2^k$の下一桁の数字は$6$となる。整数$n$が $n \geqq 2$ を満たすとき、$2^n$は$4$の倍数となるから$2^{2^n}$の下一桁の数字は$6$である。よって $2^{2^n}+4$ の下一桁の数字は$0$となるから $2^{2^n}+4$ は$10$の倍数となる。故に$\dfrac{2^{2^n}+4}{10}$は整数である。

《別解1》

$2^{2^n}+4$ は明らかに偶数であるからこれが$10$で割り切れることを示すには、$2^{2^n}+4$ が$5$で割り切れることを示せばよい。

$\begin{align}& \ \ \ \ \ 2^{2^n}+4 \\
&= 4^{2^{n-1}}+4 \\
&\equiv (-1)^{2^{n-1}}+4 \pmod{5}\\
&= 1+4 \\
&\equiv 0 \pmod{5}\\
\end{align}$

となるから $2^{2^n}+4$ は$5$の倍数である。故に $2^{2^n}+4$ は$10$で割り切れるから$\dfrac{2^{2^n}+4}{10}$は整数である。

《別解2》

$2^{2^n}+4$ が$2$以上の整数$n$に対して$10$の倍数であることを数学的帰納法によって示す。

$n=2$ のとき、$16+4=20$ となり成立している。$n=k$ のとき $2^{2^n}+4$ が$10$の倍数であると仮定し、 $2^{2^k}+4=10N \ (N \in \mathbb{N})$ と置く。

$\begin{align}& \ \ \ \ \ 2^{2^{k+1}}+4 \\
&= 2^{2 \cdot 2^{k}}+4 \\
&= (2^{\cdot 2^{k}})^2+4 \\
&= (10N-4)^2+4 \\
&= 10(10N^2-8N+2) \\
\end{align}$

となり$10$の倍数となるから $n=k+1$ のときも成立する。

以上より、数学的帰納法から $2^{2^n}+4$ が$2$以上の整数$n$に対して$10$の倍数であることが示された。故に$\dfrac{2^{2^n}+4}{10}$は整数である。

 


《コメント》

$2$の冪の下一桁の数字が$2$、$4$、$8$、$6$、$2$、$\cdots$と周期$4$で循環することに気が付けば証明できたも同然です。いずれの方針でも解けますが、それぞれの解法の良さが見て取れるのではないでしょうか。


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