問題#B018

問題#B018 ★★★☆

数列$\{ a_n \}$を$a_n=\sqrt{24n+1} \ (n=1,2,\cdots)$と定めるとき、$5$以上の素数はすべて数列$\{ a_n \}$の何項目かに現れることを示せ。


《ポイント》

素数には色々な表し方があります。$3$を法としたときだと

$p=3$ または $p=3n \pm 1$

となり、$4$を法としたときだと

$p=2$ または $p=4n \pm 1$

となります。ある数で素数を割ったときの余りが限られるということを知っておくと、絞り込みの際に役に立つことがあります。

本問はというと、本当は$6$を法としたときの表し方がテーマなのですが、これに気付けなくても一般項から仕掛けることができます。ある素数$p$が$a_n$となるのであれば$$p=\sqrt{24n+1}$$となることが問題文で言われていることで、両辺正なので2乗して$$p^2=24n+1 \tag{1}$$となります。つまり$5$以上のすべての素数が$(1)$式を満たせば自動的に題意が証明されてしまうのです。そこで、$5$以上の素数の平方(2乗)を$24$で割ったときの余りが$1$であることを証明すればよく、例のごとく$3$と$8$に分けて考えましょう。


《解答例》

$p$を$5$以上の素数とする。

$p$は$3$の倍数でないからある正の整数$n$を用いて$$p=3n \pm 1$$と表すことができる。故に$$p^2=3(3n^2 \pm 2n)+1$$より、$p^2$を$3$で割ったときの余りは$1$である。

また、$p$は$2$の倍数でないからある正の整数$n$を用いて$$p=4n \pm 1$$と表すことができる。故に$$p^2=8(2n^2 \pm n)+1$$より、$p^2$を$8$で割ったときの余りは$1$である。

以上より、$p^2$を$24$で割ったときの余りは$1$であるから、等式$$p^2=24n+1$$を満たすような正の整数$n$が存在し、$$p=\sqrt{24n+1}$$が成立する。したがって $\sqrt{24n+1}=a_n$ と置けば、数列$\{ a_n \}$の何項目かに$5$以上の素数$p$が必ず現れる。よって題意は示された。

《別解》

$5$以上の素数$p$は正の整数$n$を用いて$$p=6n \pm 1$$と表すことができる。よって$$\begin{align} p^2&=36n^2 \pm 12n+1 \\ &= 24n^2 \pm 24n+12n(n \pm 1)+1\end{align}$$となる。ここで$n(n \pm 1)$は隣接2整数の積であるから、$12n(n \pm 1)$は$24$の倍数である。故に$p^2$を$24$で割ったときの余りは$1$である。

したがって等式$$p^2=24n+1$$を満たすような正の整数$n$が存在し、$$p=\sqrt{24n+1}$$が成立する。したがって $\sqrt{24n+1}=a_n$ と置けば、数列$\{ a_n \}$の何項目かに$5$以上の素数$p$が必ず現れる。よって題意は示された。

 


《コメント》

結局、この問題の要点は$5$以上のすべての素数が $p=6n \pm 1$ と表せることに尽きます(実際には触れなくても解答に支障はありませんが)。根号と剰余類の考え方はあまり結びつかないのでアプローチの難しい問題だったと思いますが、実際の入試でも出題され得るレベルではあるので、類題の経験を積むためだと思って訓練しておきましょう。


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