問題#C015

問題#C015 ★★☆☆

(1)

$abc=a+b+c$ かつ $1 \leqq a \leqq b \leqq c$ を満たす整数 $a、b、c$ の組をすべて求めよ。

(2)

$abcd=a+b+c+d$ かつ $1 \leqq a \leqq b \leqq c \leqq d$ を満たす整数 $a、b、c、d$ の組をすべて求めよ。


《ポイント》

大小関係から範囲を絞り込みますが、やや応用的です。


《解答例》

(1)

$abc=a+b+c \ \cdots ①$ の両辺を$c$を割ると$$ab=\dfrac{a}{c}+\dfrac{b}{c}+1 \leqq 3$$となるから $(a,b)=(1,1)$、$(1,2)$、$(1,3)$ に絞られる。

それぞれの場合について①を満たす$c$を調べる。

$(a,b)=(1,1)$ のとき $c=0$ となり不適。

$(a,b)=(1,2)$ のとき $c=3$ となり適する。

$(a,b)=(1,3)$ のとき $c=2$ となり不適。

以上より、求める組は $(a,b,c)=(1,2,3)$ である。

(答)$(a,b,c)=(1,2,3)$

(2)

$abcd=a+b+c+d \ \cdots ②$ の両辺を$d$を割ると$$abc=\dfrac{a}{d}+\dfrac{b}{d}+\dfrac{c}{d}+1 \leqq 4$$となる。ここで $a \geqq 2$ とすると $abc \geqq 2 \cdot 2 \cdot 2=8$ となり適さないから $a=1$ が必要である。よって②より、$$bcd=1+b+c+d \leqq 4d$$となるから $bc \leqq 4$ が必要である。故に $b=1、2$ に絞られる。

それぞれの場合について調べる。

$b=1$ のとき $cd=2+c+d$ $$\therefore (c-1)(d-1)=3$$ $$\therefore (c,d)=(2,4)$$ を得る。( $c-1 \leqq d-1$ に注意)

$b=2$ のとき $2cd=3+c+d$ $$\therefore (2c-1)(2d-1)=7$$となるが、これを満たす $c、d$ は存在しない。

 

以上より、求める組は $(a,b,c,d)=(1,1,2,4)$ である。

(答)$(a,b,c,d)=(1,1,2,4)$


《コメント》

 

式の両辺を割って不等関係を導くときは、一番大きい文字で割りましょう。本問の(1)は2004年、(2)は1991年(多分)の東京女子大の問題の改題です。因みに(1)は2013年の信州大学教育学部でも同じ問題が出題されています。


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