雑題ログ:ペル型数列の問題


ペル型数列の問題

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京都府立医科大学(1964年/第5問)

$a_n$、$b_n$はともに有理数であって、

$(1+\sqrt{2})^n= a_n+b_n \sqrt{2}$ $(n=1,2,3,\cdots)$

によって定義される。$n$が大きいとき、$\dfrac{a_n}{b_n}$は$\sqrt{2}$の近似値であることを示し、次に$\displaystyle \lim_{n \to \infty}\dfrac{a_n}{b_n}=\sqrt{2}$ であることを証明せよ。


京都大学(1967年/理系第4問/文系第3問(共通))


慶応義塾大学(1969年/(工)第2問)


慶応義塾大学(1970年/(医)第2問)


横浜市立大学(1971年/(医)第2問)


九州大学(1971年/理系第5問/文系第4問)

双曲線$$x^2-3y^2=1 \ \ \ \cdots \cdots ①$$について、次のことを証明せよ。

(1)点$(a,b)$を双曲線①の上の点とすれば、点$(2a+3b,a+2b)$は①の上にある。

(2)$n$を正の整数とする。このとき、$$a+\sqrt{3}b=(2+\sqrt{3})^n$$を満たす整数$a、b$をとれば、点$(a,b)$は双曲線①の上にある。


金沢大学(1974年/文理共通第3問)

(※数列の問題ではありません。数論で言う二次体の問題です。)

$a$、$b$は $0<a-b\sqrt{2}<1$ を満たす任意の自然数とする。$(a+b\sqrt{2})^3$の整数部分を$\alpha$、正の小数部分を$\beta$で表すとき、次の問いに答えよ。

(1)$\alpha$は奇数、かつ $(a-b\sqrt{2})^3=1-\beta$ であることを示せ。

(2)$\alpha=197$ のとき、$a$、$b$を求めよ。


広島大学(1981年/文系第3問)

自然数$n$に対して、有理数$a_n$、$b_n$を$$ \left(\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}\right)^n =\dfrac{a_n+b_n \sqrt{2}}{2}$$によって定める。

(1)$a_{n+1}$および$b_{n+1}$を$a_n$、$b_n$を用いて表せ。

(2)$a_n$、$b_n$は正整数で、ともに偶数またはともに奇数であることを数学的帰納法によって証明せよ。


京都府立医科大学(1984年/第4問)

等式 $a_n+b_n \sqrt{5}=(2+\sqrt{5})^n$ によって定められる自然数の数列$\{a_n\}$と$\{b_n\}$について、

(1)$a_{n+1}=2a_n+5b_n$、$b_{n+1}=a_n+2b_n$ を証明せよ。

(2)$a_n-b_n \sqrt{5}=(2-\sqrt{5})^n$ を証明せよ。

(3)$L=\displaystyle \lim_{n \to \infty}\dfrac{a_n}{b_n}$ を求めよ。

(4)(3)の$L$について、$n \geqq 3$ のとき、次の不等式を証明せよ。$$\left|\dfrac{a_n}{b_n}-L\right|<0.001$$


東京工業大学(1985年/第1問)

2つの条件

(ⅰ) $a^2-2b^2=1$ または $a^2-2b^2=-1$

(ⅱ) $a+\sqrt{2}b>0$

を満たす任意の整数$a$、$b$から得られる実数 $g=a+\sqrt{2}b$ 全体の集合を$G$とする。$1$より大きい$G$の元のうち最小のものを$u$とする。

(1)$u$を求めよ。

(2)整数$n$と$G$の元$g$に対し、$gu^n$は$G$の元であることを示せ。

(3)$G$の任意の元$g$は適当な整数$m$によって、$g=u^m$ と書かれることを示せ。


横浜国立大学(1988年/前期理系(工)第2問)

数列$\{x_n\}$、$\{y_n\}$が$x_1=2$、$y_1=6$、$x_{n+1}=x_n+y_n$、$y_{n+1}=3x_n+y_n$ $(n=1,2,3,\cdots)$で与えられている。次の問に答えよ。

(1)$x_n$、$y_n$を$3$で割ったときの余りをそれぞれ求めよ。

(2)$x_n$を$n$の式で表せ。

(3)各$n \ (n=1,2,3,\cdots)$に対して$(1+\sqrt{3})^n$を越えない最大の整数を$z_n$とする。$z_n$を$3$で割ったときの余りを求めよ。


横浜国立大学(1988年/前期文系(経済)第3問)

整数を項とする数列$\{x_n\}$を、$x_1=2$、$x_2=8$ と関係

$x_{n+2}=2(x_{n+1}+x_n) $ $(n=1,2,3,\cdots)$

で定めるとき、次の問に答えよ。

(1)$x_n$を$3$で割ったときの余りを求めよ。

(2)$x_n$を$n$の式で表せ。

(3)$n$を正の整数とするとき、$(1+\sqrt{3})^n$を越えない最大の整数を$3$で割ったときの余りを求めよ。


京都大学(1988年/理科系第3問)

※行列との融合題。


京都府立医科大学(1988年/第1問)

正の整数$n$に対して正の整数$a_n$、$b_n$を次の式で定める。$$(2+\sqrt{3})^n=a_n+b_n \sqrt{3}$$このとき

(1)$$(2-\sqrt{3})^n=a_n-b_n \sqrt{3}$$であることを示せ。

(2)$(2+\sqrt{3})^n$の小数展開の整数部分が奇数であることを示せ。


慶応義塾大学(1988年/(理工)第5問)


東京商船大学(1989年/前期理系第2問)

※$\sqrt{2}$の近似に関する問題


筑波大学(1992年/文理共通第2問)

自然数からなる数列$\{a_n\}$、$\{b_n\}$が次の式で与えられている。

$(3+2\sqrt{2})^n = a_n+b_n \sqrt{2}$ $(n=1,2,3,\cdots)$

(1)数学的帰納法を用いて$$(3-2\sqrt{2})^n=a_n-b_n \sqrt{2}$$が成り立つことを示せ。

(2)不等式$$0<2a_n (a_n-b_n \sqrt{2})-1<\dfrac{1}{5^{2n}}$$が成り立つことを示せ。


広島大学(1993年/理系第3問)


東京工業大学(1994年/後期第2問)

※京都大学(1988年/理科系第3問)も参照のこと。


大阪府立大学(1995年/前期第?問)


明治大学(1995年/理工第4問)

※行列との融合題。


東京慈恵会医科大学(1996年/(医)第3問)


金沢大学(1997年/後期第2問)


お茶の水女子大学(1998年/後期第?問)

(1)等式$$(x^2-ny^2)(z^2-nt^2)=(xz+nyt)^2-n(xt+yz)^2$$を示せ。

(2)$x^2-2y^2=-1$ の自然数解$(x,y)$が無限組あることを示し、$x>100$ となる解を一組求めよ。


京都府立医科大学(1998年/第3問)

※ペル型数列の小数部分に関する問題です。


大阪大学(2000年/後期理系第1問)


滋賀医科大学(2001年/前期第3問)


京都大学(2002年/後期理系第5問)


慶応義塾大学(2002年/(経済)第6問)


東京大学(2003年/前期理系第4問/文系第3問)


東京大学(2003年/後期理系第2問)


大阪市立大学(2003年/前期理系第3問)

$p、q$は正の有理数で、$\sqrt{q}$は無理数であるとする。自然数$n$に対し、有理数$a_n$、$b_n$を$$(p+\sqrt{q})^n=a_n+b_n \sqrt{q}$$によって定める。

(1)$(p-\sqrt{q})^n=a_n-b_n \sqrt{q}$を示せ。

(2)$\displaystyle \lim_{n \to \infty}\dfrac{a_n}{b_n}=\sqrt{q}$ を示せ。


広島大学(2003年/文系第3問)

※数列の問題ではありません。二次体の問題です。


名古屋大学(2004年/後期(自然情報)第3問(選択))

自然数$n$に対して、$a_n$、$b_n$を$$(3+2\sqrt{2})^n=a_n+b_n \sqrt{2}$$を満たす自然数とする。このとき、以下の問いに答えよ。

(1)$n \geqq 2$ のとき、$a_n$および$b_n$を$a_{n-1}$と$b_{n-1}$を用いて表せ。

(2)$a_n^2-2 b_n^2$ を求めよ。

(3)(2)を用いて、$\sqrt{2}$を誤差$\dfrac{1}{10000}$未満で近似する有理数を1つ求めよ。


名古屋工業大学(2004年/前期第4問)


昭和大学(2005年/(医)第2問)


東大実戦(2005年/理系第3問(駿台))

※$(1+\sqrt{3})^n=a_n+b_n \sqrt{3}$ の$a_n$、$b_n$の公約数に関する問題。(著作権の関係で問題文の掲載は控えさせて頂きます)


横浜市立大学(2008年/(医)第3問)


北里大学(2008年/(理)第3問)


芝浦工業大学(2009年/前期第2問)

数列$\{a_n\}$の一般項が$$a_n=(2+\sqrt{2})^{n-1}+(2-\sqrt{2})^{n-1}$$で与えられている。

(1)$a_3$、$a_4$を求めよ。

(2)$a_{18}$を$17$で割った余りを求めよ。


京都大学(2009年/理系乙第6問)

$a$と$b$を互いに素、すなわち$1$以外の公約数を持たない正の整数とし、さらに$a$は奇数とする。正の整数$n$に対して整数$a_n$、$b_n$を$$(a+b\sqrt{2})^n=a_n+b_n \sqrt{2}$$を満たすように定めるとき、次の(1)、(2)を示せ。ただし$\sqrt{2}$が無理数であることは証明なしに用いてよい。

(1)$a_2$は奇数であり、$a_2$と$b_2$は互いに素である。

(2)すべての$n$に対して$a_n$は奇数であり、$a_n$と$b_n$は互いに素である。


三重大学(2010年/文系第2問)


金沢大学(2011年/前期理系第2問)


大阪市立大学(2011年/後期理系(数)第5問)


芝浦工業大学(2013年/後期第2問)

$(1+\sqrt{2})^n =p_n+\sqrt{2}q_n$ $ (n=1,2,3,\cdots)$ によって整数$p_n$、$q_n$を定める。次の問いに答えよ。

(1)$p_{n+1}=p_n+2q_n$、$q_{n+1}=p_n+q_n$ $ (n=1,2,3,\cdots)$ を示せ。

(2)${p_n}^2-2{q_n}^2=(-1)^n$ $ (n=1,2,3,\cdots)$ を示せ。

(3)$p_n$、$q_n$は、$p_{n+1}>p_n$、$q_{n+1}>q_n$ $ (n=1,2,3,\cdots)$ を満たすことを示せ。さらに、$\displaystyle \lim_{n \to \infty}p_n=\lim_{n \to \infty}q_n=\infty$ を示せ。

(4)$\left|\sqrt{2}-\dfrac{p_n}{q_n}\right|<\dfrac{1}{\sqrt{2}{q_n}^2}$ $ (n=1,2,3,\cdots)$ を示せ。


静岡大学(2013年/理系(数)第2問/(他学部は第4問))

$n$を自然数とするとき、$(2-\sqrt{3})^n$は $\sqrt{m}-\sqrt{m-1}$ ($m$は自然数)の形で表されることを示せ。


九大実戦(2013年/理系第4問(駿台))

※$(6+\sqrt{35})^n$の小数第$1$位の数字に関する問題。(著作権の関係で問題文の掲載は控えさせて頂きます)


慶応義塾高等学校(2014年/大問5)

($x^2-2y^2=1$ を満たす自然数の組に関する誘導付き問題)


京都大学(2015年6月/特色入試サンプル試験問題第4問)

次のような数列 $a_1、a_2、\cdots$ を考える。

$a_{n+2} = a_{n+1} + a_{n}$ $(n \geqq 1)$、$a_1 = 1$、$a_2 = 1$

$m \geqq 6$ とし、$a_m$ は素数であるとする。$k = (a_m)^2$ とおく。整数 $b_n$、$c_n$ を

$(1 + \sqrt{5})^n = b_n + c_n \sqrt{5}$

が成り立つように定める。以下の設問に答えよ。

1. $c_n$ を $a_n$ を用いて表わせ。

2. $b_{k} − 1$ と $c_k − 1$ は $a_m$ で割り切れることを示せ。

3. $k − 1$ は $m$ で割り切れることを示せ。


早稲田大学(2015年/(理工)第2問)


北海道大学(2016年/後期第4問)


横浜市立大学(2016年/(医)第1問(2))


大阪医科大学(2016年/前期第2問)


福島大学(2016年/後期第?問)


愛知教育大学(2017年/理系(数/情報/理科教育)第1問/(他学部は選択第3問))

自然数$n$に対して、整数 $a_n$、$b_n$ を $(2-\sqrt{3})^n=a_n+b_n\sqrt{3}$ によって定める。このとき、すべての自然数$n$について、$a_n>0$ かつ $b_n<0$ であることを数学的帰納法によって示せ。


福岡女子大学(2017年/(国際文理)第5問)


弘前大学(2018年/(教育/農学生命/保健/人文)第3問)


 

 


《コメント》

これだけの問題数を揃えるとなかなか壮観です。ペル方程式が整数分野の中でもいかに重要なテーマであるかがお分かり頂けると思います。

方程式 $x^2-Dy^2=1$($D$は平方数でない)の最小の正整数解を$(x_1,y_1)$と置くと一般解は$$\begin{cases} x_n = \dfrac{(x_1+y_1\sqrt{D})^{n}+(x_1-y_1\sqrt{D})^{n}}{2} \\ y_n = \dfrac{(x_1+y_1\sqrt{D})^{n}-(x_1-y_1\sqrt{D})^{n}}{2\sqrt{D}} \end{cases}$$で与えられます。

ペル方程式の主眼は整数解を求めることだけではありません。解の数列$(x_n,y_n)$から$\sqrt{D}$の近似値が次々と得られることもペル方程式(ペル型数列)の重要性の一つであると言えます。ある整数の平方根の近似値を得るという観点で言えば、2007年の広島大理系前期第3問などの非常にユニークな出題もあります。これだけも専門書が1冊書けるほどの興味深いテーマなのですが、学生はともかく、受験指導をする側の人間でこの数学的背景と教育的(学問的)価値を理解して、なおかつ学生に教授できる方は一体どれくらいいるのでしょうかね・・・。

過去問は見つけ次第、随時追加していきます。情報提供大歓迎です。


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