問題#B005 ★★☆☆
整数の2乗となる数を平方数という。
(1)平方数をで割った余りはかに限られることを示せ。
(2)平方数をで割った余りはかに限られることを示せ。
(3)平方数をで割った余りはかかに限られることを示せ。
《ポイント》
例えばはを法としたときの「平方剰余」であり、はを法としたときの「平方剰余」ではありません。証明ではなどと置くか、合同式で片付けてしまいましょう。合同式については整数第2章第3節を参照してください。
《解答例》
以下、は整数とする。
(1)
すべての整数は、のいずれかの形で表される。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
よって平方数をで割った余りはかに限られる。
□
(2)
すべての整数は、、のいずれかの形で表される。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
よって平方数をで割った余りはかに限られる。
□
(3)
すべての整数は、、のいずれかの形で表される。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
と表されるとき、であり、で割った余りはである。
よって平方数をで割った余りはかかに限られる。
□
《コメント》
このように平方数の余りが限られるという事実は論証やディオファントス方程式を解く際に非常に重宝します。他にも様々な数で平方剰余を求めることができますが、問題を解く上で実用性があるのは大抵かを法としたときで、を法として絞ることは滅多にありません。
今回は平方数で余りを考えましたが、その他の冪でも余りの数は限定されます。興味のある人は書き出してみると良い勉強になると思います。
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