問題#B017

問題#B017 ★★☆☆

pq+qp が素数となるような素数の組(p,q)をすべて求めよ。


《ポイント》

素数というのは「自身と1以外に約数を持たない自然数」などと定義されますが、ほとんどの素数は奇数です。2を除けば残りの素数はすべて2と互いに素なのですから当然と言えば当然ですが、案外「2以外の素数は奇数」という条件が効いてくる問題も少なくありません。本問はその良い例ではないでしょうか。

pq+qp は明らかに2より大きいので、これが素数であるためにはまず奇数であることが必要です。この条件がから片方の素数を決定することができます。そこからが勝負どころです。


《解答例》

pq+qp2より大きいから、素数であるためには奇数であることが必要である。故に pq のいずれか一方は奇数で、もう一方は偶数、即ち2でなければならない。

pq+qppq に関して対称であるから一般性を失うことなく p=2<q と置ける。よって 2q+q2 が素数となるような素数 q を求めればよい。

q=3 は題意を満たす。以下 q>3 として p=3m±1 (mN2) と置くと、

     2q+q2(1)q+(±1)20(mod3)

となる(q は奇数であるから (1)q=1)。よって q>3 のとき 2q+q23の倍数となるため素数にならない。よって求める素数の組 (p,q)(p,q)=(2,3)(3,2)である。

(答)(p,q)=(2,3)(3,2)


《コメント》

この問題も半ばC問題です。本問は2016年の京大前期理系第4問であり、#B016の10年後に出題された問題です。前問同様、q に色々と代入してみて q3 のときは3の倍数になると見当を付けておくことが肝心です。翌年2017年の整数問題も素数絡みの問題でしたが、絞り込みはそれほど難しくありませんでした。mod 3 で考える素数問題が京大で出題されるのはまた10年後かもしれませんが、受験を考えている方はしっかり対策しておいて損は無いでしょう。


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