問題#B020

問題#B020 ★★★☆

2n+3n+4nが平方数となるような正の整数nをすべて求めよ。


《ポイント》

平方数の話題その2です。#B019には「ヒント」がありましたがこちらはありません。「平方数となるような正の整数nをすべて求める」ということは「平方数にならないような正の整数nをすべて求める」ということです。平方剰余の出番です。


《解答例》

N=2n+3n+4nと置く。

n=1のときN=9となり平方数である。以下、 n2 とする。

     N=2n+3n+4n(1)n+0+1(mod3)

3で割ったときの余りが2であるような正の整数は平方数になり得ないから、nは偶数でなければならない。

     N=2n+3n+4n0+(1)n+0(mod4) (n2)

4で割ったときの余りが 31(mod4) であるような正の整数は平方数になり得ないから、nは奇数でなければならない。

しかし偶数かつ奇数であるような正の整数nは存在しないから n2 のときNは平方数になり得ない。

故に求める正の整数nn=1 のみである。

(答)n=1


《コメント》

本問は数学コンテスト向きの問題なので、ヒント付きでなければ入試問題には出ません。ヒントが特に与えられておらず、文字で置いたりしてもなかなか難しいときは剰余類の利用を考えましょう。ここまで演習を積んできた皆さんであれば、剰余類の勘もかなり磨かれてきたのではないでしょうか?


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