問題#C005

問題#C005 ★★☆☆

整数 $x$、$y$ が等式 $2x+3y=42$ を満たすとき、積 $xy$ の最大値と、そのときの組$(x,y)$をすべて求めよ。


《ポイント》

前問に続き、1次不定方程式をちょっと捻った問題です。本問で求めるものは解の積の最大値です。1次不定方程式の解 $x、y$ がある整数$m$の1次式で表されることは皆さん経験上分かっていると思いますから、積 $xy$ は$m$の2次式で表されると予想がつきますね。


《解答例》

$$2x+3y=42$$ $$\therefore 2(x-6)+3(y-10)=0 \tag{1}$$

よって、ある整数$m$、$n$を用いて$$x-6=3m、y-10=2n$$と置くことができて、与式に代入すると$$6m=-6n \ \ \ \therefore m=-n$$となるから、$(1)$を満たすすべての整数解は$$\begin{cases} x=3m+6 \\ z=-2m+10 \end{cases} \ (m \in \mathbb{Z})$$と表される。よって積 $xy$ は

$\begin{align} xy &=(3m+6)(-2m+10) \\
&=-6(m-5)(m+2) \\
&=-6(m^2-3m-10) \\
&=-6\left\{ \left(m-\dfrac{3}{2} \right)^2-\dfrac{49}{4} \right\}
\end{align}$

よって積 $xy$ が最大となるのは $m=1、2$ のとき、即ち $(x,y)=(9,8)、(12,6)$ のときであり、最大値は$72$である。

(答)$(x,y)=(9,8)、(12,6)$ のとき、最大値 $72$


《コメント》

与式の変形は $2x+3(y-14)=0$ とか $2(x-21)+3y=0$ としても可能です。どんな変形でも解答できます。

1次不定方程式のおさらいは取り敢えずここで終了しておきます。次からは本格的に不定方程式を扱っていきます。


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