問題#C017 ★★★☆
2次方程式 $x^2-2mx+m+1=0$ が整数解を持つような整数 $m$ をすべて求めよ。また、そのときの整数解をそれぞれの $m$ に対して求めよ。
《ポイント》
文字係数の2次方程式の問題では、
①解の公式を使う
②解と係数の関係を使う
③その他(因数分解など)
という解法パターンが考えられますが、大抵は②の方が簡単に処理できます。本問のように係数がキレイな2次方程式の問題では解と係数の関係から攻めるのが効率的です。
《解答例》
2次方程式 $x^2-2mx+m+1=0$ の2解を $\alpha$、$\beta$ とすると、$$\begin{cases} \alpha+\beta=2m \\ \alpha \beta=m+1 \end{cases}$$となる。これより$m$を消去すると$$\alpha+\beta=2(\alpha \beta -1)$$ $$\therefore 2\alpha \beta -\alpha-\beta-2=0$$ $$\therefore \alpha \beta -\dfrac{1}{2}\alpha-\dfrac{1}{2}\beta-1=0$$ $$\therefore \left(\alpha -\dfrac{1}{2}\right)\left(\beta-\dfrac{1}{2}\right)=\dfrac{5}{4}$$両辺を$4$倍して$$\therefore (2\alpha -1)(2\beta-1)=5$$となる。よって、組$(2\alpha -1,2\beta-1)$は $(\pm 5,\pm 1)$、$(\pm 1,\pm 5)$ (複号同順)に限られる。
$(2\alpha -1,2\beta-1)=(5,1)$、$(1,5)$ のとき $m=2$ となり、整数解 $x=1、3$ を得る。
$(2\alpha -1,2\beta-1)=(-5,-1)$、$(-1,-5)$ のとき $m=-1$ となり、整数解 $x=-2、0$ を得る。
(答)$m=-1$ のとき $x=-2、0$、$m=2$ のとき $x=1、3$
《コメント》
解の公式を使って「判別式=完全平方数」として絞っても良いですが本問の場合は場合分けがやや煩雑になります。解と係数の関係を利用する解法は是非習得しておきたいですね。