問題#C018

問題#C018 ★★★☆

m は負でない整数とする。3次方程式 x33m2x+18m=0 がただ一つの整数解を持ち、それ以外に実数解を持たないような m をすべて求めよ。


《ポイント》

3次方程式の問題では解の公式が使えません(普通は)。そのため

①増減を調べる

②解と係数の関係を使う

③その他(因数分解、分数式にする・・・など)

という解法パターンが考えられます。本問のように虚数解を相手にするときはまず「①増減を調べる」の方針でmを絞り込むことを考えましょう。いきなり解と係数の関係に飛びつくと、3文字を一遍に扱わなければならず、上手く文字を消去できないと計算が泥沼化してしまいます。こういうときには一旦引き返す勇気も大切です。


《解答例》

3次方程式 x33m2x+18m=0 の左辺をf(x)と置くと、f(x)=3(x+m)(xm)となる。m=0 のとき f(x)=0 はただ一つの整数解 x=0 を持つので、以下、m>0 として考える。このとき増減表は以下のようになる。

x m m
f(x) + 0 0 +
y ↗ 極大 ↘ 極小 ↗

極大値について、f(m)=2m(m2+9)>0 より、方程式 f(x)=0 がただ一つの整数解を持つためには極小値が0より大きくなければならない。故にf(m)=2m(m3)(m+3)>0 0<m<3が必要である。よって m=12 に限られる。

m=1 のとき、f(x)=x33x+18=(x+3)(x23x+6)となり、方程式 f(x)=0 はただ一つの整数解 x=3 を持つ。

m=2 のとき、f(x)=x312x+36 となるので方程式 f(x)=0 は整数解を持たない。

以上より、求める非負整数mm=01である。

(答)m=01


《コメント》

m=0 のときを忘れないようにしましょう。また「負でない」という条件を取り払えば m=1 も題意を満たします。

(出典:大阪大1991年文系第3問)


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