問題#Ⅰ001


問題#Ⅰ001 ★☆☆☆

$a_1=3^7$、$a_{n+1}=(a_n)^7 \ (n=1,2,3,\cdots)$ により定義される数列$\{a_n\}$の一般項$a_n$の下一桁の数字を求めよ。


《ポイント》

下一桁の数字は $\bmod{10}$ で調べます。漸化式で定義される整数列の剰余は循環するので、まずは周期性を調べましょう。


《解答例》

$\begin{align} a_1 &=3^7 \\ &=(9)^3 \cdot 3 \\ &\equiv (-1)^3 \cdot 3 \pmod{10} \\ &=-3 \\ &\equiv 7 \pmod{10} \end{align}$

よって$a_1$の下一桁の数字は$7$である。ここで $a_1 \equiv 7 \pmod{10}$ であることに注意すると、

$\begin{align} a_2 &\equiv 7^7 \pmod{10} \\ &=(49)^3 \cdot 7 \\ &\equiv (-1)^3 \cdot 7 \pmod{10} \\ &=-7 \\ &\equiv 3 \pmod{10} \end{align}$

よって$a_2$の下一桁の数字は$3$である。全く同様にして$a_3$、$a_4$、$\cdots$ の下一桁の数字を求めることができるから、一般項$a_n$の下一桁の数字は、

$n$が奇数のとき$7$、$n$が偶数のとき$3$

となる。


《コメント》

合同式では $a \equiv b$ のとき $a^n \equiv b^n$ が成り立ちます。本問では$3^7$をどんどん$7$乗していくだけなので、数列の問題というほどでもありません。合同式の指数計算になると途端に手が止まってしまう人が多いので、簡単な問題や具体例などで慣れておきましょう。

(出典:筑波大1976年)


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