微積6.1.5

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問題6.1.5

(1)$f(x) \geqq 0$ が区間$[1,\infty)$で単調減少のとき、$\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} f(n)$ が収束する必要十分条件は、広義積分 $\displaystyle \int^{\infty}_{1}f(x)dx$ が収束することであることを示せ。

(2)(1)を用いて $\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} \dfrac{1}{n^a}$($a$:実数)が収束する必要十分条件は、$a>1$ であることを示せ。

 

《ポイント》

一方は離散的な関数、一方は連続的な関数であるので、不等式による証明が有効だと考えられます。両者を級数として比較します。

 


 

《解答例》

(1)

$f(x)$は区間$[1,\infty)$で単調減少であるから、$n \leqq x < n+1$ を満たす整数$n$について $$f(n+1)<f(x) \leqq f(n)$$が成り立つ。よって $N \geqq 2$ のとき$$\displaystyle \sum^{N-1}_{n=1} f(n+1)< \int^{N}_{1}f(x)dx \leqq \sum^{N-1}_{n=1} f(n)$$が成り立つから、$\displaystyle \lim _{n \to \infty} \sum^{N-1}_{N=1} f(n)$、すなわち $\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} f(n)$ が収束することと$\displaystyle \lim _{n \to \infty} \int^{N}_{1}f(x)dx$、すなわち $\displaystyle \int^{\infty}_{1}f(x)dx$ が収束することは同値である。

 

(2)

$a>0$ ならば $f(x)=\dfrac{1}{x^a}$ は区間$[1,\infty)$において単調減少であるから、(1)より、

$a>1$ のとき$$\int_{1}^{\infty} \frac{d x}{x^{a}}=\lim _{\beta \to \infty}\left[\frac{x^{1-\beta}}{1-a}\right]_{1}^{\beta}=\frac{1}{a-1}$$となるので $\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} \dfrac{1}{n^a}$ は収束する。

$a=1$ のとき$$\int_{1}^{\infty} \frac{d x}{x}=\lim _{\beta \to \infty}\left[\log x\right]_{1}^{\beta}=\infty$$となるので $\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} \dfrac{1}{n^a}$ は発散する。

$a<1$ のとき$$\int_{1}^{\infty} \frac{d x}{x^{a}}=\lim _{\beta \to \infty}\left[\frac{x^{1-\beta}}{1-a}\right]_{1}^{\beta}=\infty$$となるので $\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} \dfrac{1}{n^a}$ は発散する。

また、$a<0$ のときは $\displaystyle \lim_{n \to \infty} \dfrac{1}{n^a} = \infty$ となるから $\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} \dfrac{1}{n^a}$ は発散する。

$\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} \dfrac{1}{n^a}$収束することと、広義積分 $\displaystyle \int^{\infty}_{1}f(x)dx$ が収束することは同値であるから、以上より、$\displaystyle \sum^{\infty}_{n=1} \dfrac{1}{n^a}$($a$:実数)が収束する必要十分条件は、$a>1$ であることが示された。

 


 

復習例題は設定していません。

 


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