問題7.1.2a
次の微分方程式を解け(変数分離形およびその応用)。
(1)$y’=x^2 y$
(2)$xy’+y=2xy$
(3)$y’=\dfrac{y}{x(x+1)}$
(4)$y’=\dfrac{1+y}{1-x}$
《ポイント》
次の形の微分方程式を変数分離形の微分方程式と言います。$$\dfrac{dy}{dx}=f(x)g(y)$$変数分離形の微分方程式の解は$$\int \frac{1}{g(y)} d y=\int f(x) d x+c$$で与えられます。ここで $c$ は任意にとれる定数で、初期条件を与えれば決まります。このように任意定数を含む解を一般解と言い、初期条件を与えて決まる解を特殊解と言います。
《解答例》
(1)$y’=x^2 y$
$\dfrac{d y}{d x}=x^{2} y$ であるから $\dfrac{d y}{y}=x^{2} d x$ となる。これより$$\int \frac{1}{y} d y =\int x^{2} d x+C$$となる。両辺の積分を実行して、$$\begin{aligned}
\log |y| &=\dfrac{x^{3}}{3}+C’ \\
\therefore y &=\pm e^{\frac{x^{3}}{3}+C’} \\
&=c e^{\pm \frac{x^{3}}{3}} \quad \cdots (\text{答})
\end{aligned}$$ただし、$c = e^{C’}$ と置いた。
(2)$xy’+y=2xy$
$\dfrac{d y}{d x}=\dfrac{2 x-1}{x} y$ であるから $\dfrac{d y}{y}=\dfrac{2 x-1}{x} d x$ となる。これより$$\displaystyle \int \dfrac{1}{y} d y=\int\left(2-\dfrac{1}{x}\right) d x+C$$となる。両辺の積分を実行して、$$\begin{aligned}
\log |y| &=2 x-\log |x|+C \\
\therefore y &=\dfrac{c e^{2 x}}{x} \quad \cdots (\text{答})
\end{aligned}$$ただし、$c = e^C$ と置いた。
(3)$y’=\dfrac{y}{x(x+1)}$
$\dfrac{d y}{y}=\left(\dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{x+1}\right) d x$ より、両辺の積分を実行して、$$\begin{aligned}
\log |y| &=\log |x|-\log |x+1|+C \\ &=\log \left|\frac{x}{x+1}\right|+C
\end{aligned}$$よって、$$|y|=e^{C}\left|\dfrac{x}{x+1}\right|$$となる。$c$が任意の実数をとるとすると、$$\therefore y =\dfrac{cx}{x+1} \quad \cdots (\text{答})$$を得る。
(4)$y’=\dfrac{1+y}{1-x}$
$\dfrac{d y}{1+y}=\dfrac{d x}{1-x}$ より、両辺の積分を実行して、$\log |1+y|=-\log |1-x|+C$ を得る。これより、$$|y+1|=\frac{e^{C}}{|1-x|}$$となるから、$c$を任意の実数として$$y+1=\frac{c}{1-x}$$と表せる。これより$$y=\frac{(c-1)+x}{1-x}$$となり、$c-1$ を $c’$ と置き直すことにより、$$\therefore y =\dfrac{c’+x}{1-x} \quad \cdots (\text{答})$$を得る。
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